座頭市シリーズに、なんと黒澤明「用心棒」「椿三十郎」でおなじみの三船敏郎が登場。
このふたりはプロダクション経営でお互いに苦労しているので仲はいいはず。おまけに監督が岡本喜八という豪華版。
喜八組である岸田森、草野大悟、寺田農もそろえてマジで豪華なことだ。おまけにヒロインが若尾文子!
それに滝沢修、細川俊之、常田富士男、米倉斉加年、神山繁、そして嵐寛寿郎が加わるのだ。
座頭市通算20作目という節目だから実現したのだろうし、直後に倒産する大映の、黄昏の最後の煌めきだったかも。
製作は勝プロ。でも意外なほど岡本色が強い。こうなるともうひとりの喜八組の仲代達矢が出てきてほしかった気も。あ、それだとあまりにクロサワな映画になっちゃうか。
徹底して西部劇を意識したつくりでうれしくなる。だいたい、勝新太郎と三船敏郎が同じ画面にいるということだけでありがたい。ストーリー的には言いたいこともあるけれど、こんな贅沢なスター映画はもうありえないわけなので満足。ありがたいありがたい。