事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

人事異動PART3~切り札

2008-05-08 | 受験・学校

31430414  PART2はこちら

県立中央病院 50歳超幹部ら18人退職へ
病院事業管理者も 経営改善で疲弊?


県立病院を所管する特別職の横山紘一・病院事業管理者(65)と、県立中央病院の斎藤幹郎院長(63)、斎藤徹副院長(57)ら幹部職員を中心にした50歳以上の18人が今月末で一斉に退職する意思を県側に伝えたことが9日、わかった。医療関係者には、県側から経営改善を求められて疲弊したことが、一斉退職という極めて異例の事態につながったとする見方が強い。県は後任人事の調整を急いでいるが、当面は病院運営の混乱が避けられない状況となっている。


 横山氏は前県立中央病院長で、2003年4月に就任した病院事業管理者の任期(4年間)を1年残しての退任となる。県病院事業局に対し、退任理由について「疲れた」と話しているという。また、横山氏の後任とみられていた斎藤院長も65歳の定年まで1年以上を残して、「一身上の都合」で退職することを県側に伝えた。斎藤副院長は「家庭の事情」と説明しているという。


 横山氏、斎藤院長はともに県立中央病院での勤務経験が長い。特に、斎藤院長は大学卒業後は一貫して県立中央病院で勤務し、03年に院長に就任した。04年度に県立中央病院を退職した50歳以上の職員は6人で、医師はいなかった。


 さらに、県立中央病院を退職する18人には、看護部長(59)と看護師長4人も含まれている。看護部長は、01年の病院移転前から現職にあって人望が厚く、同調して退職する看護師長が出たと見られている。


 県は06年度予算案で、病院会計の赤字を埋める一般会計からの繰り出し金を約90億円計上している。県は繰り出し金の削減を目指し、06年度まで2年間かけて「病院事業分析評価調査」を行うなど経営改善への取り組みを強めている。


 横山氏は読売新聞の取材に「病院事業管理者を3年務め、改革のめどもついたので後進に道を譲ることにした」と話している。
 【病院事業管理者】 中央、日本海、新庄、河北、鶴岡の県立5病院を一元的に経営する県病院事業局の最高責任者。地方公営企業法の全適用で2003年に新設され、初代に横山氏が起用された。
(2006年3月10日  読売新聞)

……今回はあまりコメントすまい。この記事からどんなことを読み取るかはそれぞれの自由だ。しかしわたしはこの一種のクーデターを爽快な気持ちで受けとめたし、地方公務員にとって最後に残された人事である「退職」を、切り札として有効に使うことのできた彼らを、少しうらやましく思った。

 それにしても、だ。こういう記事になると山形県では読売が常に先行している。知事寄りにしろ、反知事関係にしろ。よほどのコネをもっているのだろうか。それとも、他の新聞がひどすぎるのか?朝日の山形版は近ごろカラス駆除ネタばっかりだし(>_<)

画像は「坊ちゃん忍者幕末見聞録」奥泉光
 三川町出身の奥泉が読売新聞に連載した歴史小説。もうちょっと面白くできそうな感じ。批判の多いSF的趣向は、わたしは必然だったと思う。

PART4につづきます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人事異動PART2~緊張感

2008-05-08 | 受験・学校

Play PART1こちら

=ご意見=
 ある小学校の事務職の方が10年以上も異動なしで勤務しておられますが、それくらい同じ所に在籍して県職員として異動はないのかお聞きしたところ「個人の希望や個人の事情を考慮していますので」という返答がありました。これは民間の企業では考えられません。唖然とさせられました。自分が勤務している企業では、個人の希望の勤務地に勤務する場合は基本給の8割しかもらうことができず、昇給も8割です。こういった人事は甘すぎはしないのでしょうか。こういう体質が仕事に対して緊張感をうばってはいないのでしょうか。民間企業等は、出社から退社の時間まで仕事でびっしりです。この辺の改革もお願いいたします。

=県の取組状況=
 学校職員の人事については、県内それぞれの学校が円滑に運営され、学校教育が適切に実施されるよう、適材適所を基本として人員配置を行っているところであり、職員一人ひとりが誠意と緊張感をもって仕事に取り組んでいると認識しております。
 今後とも、学校教育の充実に向けて、適材適所の人員配置並びに誠意と緊張感をもった仕事への取り組みに努力してまいります。
                                                     (教育庁 義務教育課)

 これは山形県のホームページにおける「県民の生の声コーナー」に掲載されたもの。山形県教育研究会学校事務部会のサイトで紹介されたこともあり、三人の読者からこのネタを教えてもらった。「生の声コーナー」は泣かせるので随時『目安箱を開ける』と題して特集します。あ。いま気づいたんだけどこの10年間同じ小学校にいる事務職員って「この1冊」の読者じゃないですよね(笑)。だったら名乗り出ろよ。まあ、いいけど。

 山形県の教職員の同一校勤務年数は「7年以上はおかない」のが原則になっている。おおむね5年程度だろうか。おとなりの宮城県は原則3年だそうだから、山形は長い方なのかもしれない。

 今回のケースでは、ひょっとしたら育児休業期間が影響しているのかもしれないし……いやしかし10年はやっぱり長いな。どんな事情があったんだろう。「個人の希望や事情」だけで異動がないほどぬるい世界ではないはずなので、ぜひお聞きしたいところだ。だいたいさあ、そんなに長くいると、やっぱり緊張感は失せるよな。少なくともわたしははっきり断言できます。飽きる、と。

画像は「PLAY」山口雅也
わたしがまったくその良さがわからなかった歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」の変奏曲を臆面もなく(笑)。でも、こっちの方がずっといいぞ。

PART3につづきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人事異動PART1~別離の季節

2008-05-08 | 受験・学校

Nekomaru01 ●先日、教員のかたからの、「今の季節は人事異動でさびしい」というおたよりがありましたね。私も教員なので、とてもよくわかります。今年の私のまわりでは、仲がよくて、最近異性として意識しはじめた人がいなくなるので、さびしさもひとしおです。

 話すのはたのしいけど恋愛に発展するのかは、まだわからない。新しい学校へいってしまったら、会えなくなっちゃうのかも、わからない。あと何日も一緒にいられるわけでもない。でも、まだ、もうすこしだけ、時間がある。4月以降も連絡をとりあう仲ではいたいけど、そんな話を、職場でどうきりだそうか。ダメだったらと思うとコワくて、ぎりぎりまで言わないだろうなぁ。でも、最後の日は飲み会なんだよなぁ。酒の勢いで言うみたいなのもイヤだなぁ……。淡泊な人だし、このままになっちゃうのかな、と思うと不安です。相手はそんなことよりも新しい職場への不安などがあるわけだから、などと、そんなことばかり、考えてしまっています。

 中学校の教員をしていますから、目の前の生徒のことに追われがちな職場でよくもまぁ、こんなことを思う余裕があるものです。……いや、ほんとは、今は卒業式の直前だし、成績も通知表も書かなきゃだし、来年度への会議もあるのだから、「仕事しか考えられないはず」なんですけどね。そういうものでもないみたいです。
「ほぼ日刊イトイ新聞メールマガジン」より

……あああ恋愛です。編集者も「学校の先生の恋愛は、学校行事とともにあるんですねえ」と感心していた。卒業は、生徒たちとの別れと同時に、同僚との小さな別離の季節でもあるわけだ。いいですなぁ、と年寄りじみたことをかましつつ、人事異動についてちょっと考えてみよう。

 教職員の人事については、さまざまなローカルルールがある。「へき地○年」とか「新採○年」「夫婦の片方が市街地にいればもう一方は田舎」とかね。もはや噂や都市伝説みたいな存在なのもあるけれど。支部長時代には(終わったから言える)気が遠くなるような理由で人事に文句をつけてくるヤツもいた。たかが人事異動じゃねーかよ、とため息をつきながら「もっとクールに、介護を必要としている家族がいるとか、通勤距離とか、子どもの年齢とかを優先した要求にしていこうぜ」と当時の書記長たちと話していた。

しかしそれでも“組合員同士の利害が衝突する”のがこの人事というものの微妙なところ。他管に勤務している事務職員を呼び戻そうと思えば、こちらから誰かを他管に追いやることになる……という具合。ここで問題になるのがその学校での勤務年数になるわけだが、これは次号に。

画像は「猫丸先輩の推測」倉知淳
 殺人なし。真の悪人なし。日常に潜むほんの小さな謎を解き明かす、おなじみ倉知の猫丸先輩シリーズ。でも今回はちと冴えがないような気も。東京創元社から講談社にシリーズが移り、唐沢なをきに挿絵が変わってちょっとうれしい。ものすごくかわいいから。

PART2につづきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする