雨上がりの空に

空模様がスッキリしないせいか、
少々のリフレッシュではいまひとつ効果も無く。

気分が乗らないことはしない、というのが休暇の目的なので、
本日はトドメのハリ治療も論文最終章の執筆もボイコットして、
半日じっくり歌舞伎座に引きこもった。

幕間に明日から練習が始まるオペラの主宰者に連絡したり、
帰りに銀座でしばしウィンドウショッピングしたり、
流れにまかせて街を徘徊してから、家に向かう。

地下鉄の駅から出てきたら、ぷん、と鼻を突いた匂いがあった。

雨上がりの草木の、青々とした、あの独特の匂い。
「青臭い」なんて言葉もあるけど、この匂いがとても好き。

森林浴とか、マイナスイオンとかいうよりも、
もっとずっと身近な、お手軽な、瑞々しい本当の自然の匂い。
洗い流された清々しい空に草の葉が放つ、生命の匂い。

思い切り深く吸い込めば、
指先のすみずみまで生き返る感じがする。

でも、明日は晴れるといいな。