温習会のときの写真が出来上がってお稽古場に来ていて、
自分のお稽古が終わってからゆっくり見せていただいたりしてたら、
お稽古場を出るのが仲良しの名取同期と一緒になった。
駅までの道すがら、温習会以来のおしゃべり。
彼女は三絃、ヒイラギはお箏が専門なので、
お互い、ニガテ種目の泣き言の言い合い。
お箏の曲は、何回弾いてもハテナ?な曲でさー歌うどころじゃなくってさー
と彼女が嘆けば、
――歌い続けてるのに手も細かいような曲は私でも極限にニガテだよー
三絃もむずいよー、さっき聞いてたでしょーあのたどたどしいスクイ・・・
とこちらがぼやけば、
「ああー、あの‘てけてけ’は無理だよー、私もできないよー」
‘てけてけ’ってのは、口三味線でいうところの、チリチリとかツルツルとか、
いわゆるスクイっていう奏法が細かく続くくだり。
じつにニガテな奏法ではあるけれど、でも、
‘てけてけ’と言われて、なんだかできそうな気がしてきた。
10年くらい前、飼ってたペット(とある魚類)の名前がまさに‘てけてけ’
小さなおしりをふりふり泳ぐ丸っこい姿が、てけてけ、って感じだった。
てけてけ、可愛かったなあ。
ベルギー行きが終わったら、また飼おうかなあ。