年が明けて初めての、演出家の先生との立ち稽古。
主役のソリストさん(ソプラノのね)が体調不良だとかで、
相手役のテノールさんはこのところずぅーっと、
“透明な”ヴィオレッタを相手に愛を語る二重唱の日々。
そこで本日は、演出家の先生自らヴィオレッタを演じながらの演技指導。
これが素晴らしくて!
おヒゲのヴィオレッタさんの、とてもがっしりした力強い肩を抱きながら、
真顔で思いのたけを歌い上げるテノールさんも、
これまたさすがプロ!って素晴らしさで。
この演出家さんは、ホンモノ
すべての歌詞と音楽が指の先の神経までばっちり叩き込まれていて、
どの役にも瞬時になれちゃう。
合唱指導の先生はいまだに合唱パートの歌詞すらちゃんと読めないのに。
音楽の中で演技をするということは、強いフェンシング選手みたいに歌うこと、
なのだそうだ。
突拍子もない喩のようでいて、だからね、と動きながら説明されると、
ああ確かに!って、ストンと腑に落ちる。
ソリストさんへの指導を見学しながら、
自分も、〝弱くて元気なフェンシング選手〟になっちゃってないかしらん、
って、出番のシーンを思い浮かべながら、いつになく真剣に楽譜とにらめっこ。
だって、本番まであと少し。
やるからには、全力でいい舞台にしましたって、胸張りたいし。
やるからには、前よりほんの少しでも、進化していたいし。