ヒイラギ日記 ~Holy Holly's Diary~

小粒でも ぴりりと辛い 博士な日々。

ノルウェイのヴァイオリン

2009-11-09 21:00:16 | 芸能人ヒイラギ

少し前のことになるが、師匠に頼まれて、
とある女性団体のチャリティコンサートを聴きに出かけた。

去年、やっぱり師匠に頼まれて出席した櫻井よしこさんの講演会も、
同じ団体が開催したものだった。
今回は、難病の子どもたち支援のための、ノルウェイ音楽の演奏会。
珍しい楽器らしいと聞いて、とりあえず顔だけは出してみた。

「ハルダンゲルヴァイオリン」というその楽器は、ノルウェイの国民的楽器で、
「日本でいえばお琴や三味線のような楽器です」と紹介された。

ふつうのヴァイオリンと同じ形だけど、一回り大ぶりに見えた。
弦が4本と5本の二層になっていて、下の5本は駒の真ん中をとおっている。

この下層の共鳴弦があることで、
なんともいえない温かみのある厚い響きが加わった、
親しみのもてる雰囲気の音色になっている。

糸巻き部の先端は龍の頭の形に掘られている。
日本の箏も、楽器本体を龍に喩えた名称が各部についているし、
三絃の棹のてっぺんも「天神」という神聖な呼び名だったりする。
楽器というものの、遥かなるルーツに想いを馳せながら聴く。

本体は唐草模様のペインティングでぐるりと縁どられ、
三絃でいうと「棹」の部分には、上から下までびっしり、
真珠母貝の螺鈿細工で紋章の連続模様が掘り込まれている。


(画像拝借元:http://storage.kanshin.com/free/img_15/159770/1684700721.jpg

これだけ凝った細工が施されているのに、
楽器としての寿命は数年からせいぜい10年ほどと短いらしい。

珍しい姿かたちを、見て、触らせてもらって、
音色を聴かせてもらったほかに、へぇ~と思う豆知識も聞けた。

まず、ノルウェイの音楽には打楽器が無いということ。
このハルダンゲルヴァイオリンを奏でながら、
手拍子や足拍子でリズムをとって音楽を全身で楽しむのだそう。

そして、このハルダンゲルヴァイオリン独特の共鳴弦。
5本の共鳴弦を端から順番に鳴らしていくと、
かの有名なグリークの組曲『ペールギュント』の第1曲「朝」の旋律になる。

なんだか北欧に行きたくなってきた。
オスロであたりで『ペールギュント』を、
ヘルシンキあたりで大好きな『フィンランディア』を聴いて、ぼんやりしたい。

でも、できれば夏がいいかな。

コメント
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