いつだって急展開

急遽、10月の演奏会向けに新しい曲を仕上げることになった。

師匠じきじきに仕込んでくださるとはいえ、長いし、難しいし。
お稽古の直前直後の付け焼刃では間に合わない。
帰宅してとりあえずまず三絃を構え、撥を握る。

ひとしきり練習したところで簡単に食事を済ませて、
博士論文のほうにかかる。
明日があるから、日付が変わるまでがギリギリ。

朝起きて、30分そこそこで家を飛び出していく。
大学まで30分の乗車時間は、オペラの復習と暗譜にうってつけ。
『MACBETH』か『AIDA』、その日の朝、気が向いたほう。

一日仕事して、たまにズルして博論の調べ物したりして、
ランチタイムには頭に浮かんだ音楽のどれかを口ずさんでみて、
帰りの電車の30分は、もう一度オペラの復習と暗譜か、文献チェック。

家に着いたら、とりあえずまず撥と三絃を手に取る。

すごろくなら、‘ふりだし’に戻る。
週末まで、ひたすら繰り返す。

でも、一日ずつ、一歩ずつ、進めているといいなと思う。