自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

外灯に飛来したフクラスズメ

2015-12-14 | 昆虫

これまでに,カラムシの葉で棲息するフクラスズメの幼虫については接写と虫の目でご紹介してきました。幼虫の変態ぶりをとらえたくて,今飼育中です。

つい先日,フクラスズメの成虫を捕獲しました。成虫とは初めての出合い.。「これが成虫なのか」と感慨深くなるひとときになりました。その報告をします。

仕事の帰り,所用で他施設に立ち寄りました。敷地にある外灯の下を通り過ぎるとき,大きめのガが地面でバタバタしているのが目に入りました。今時分珍しいなあと思い,とりあえずラッシュ撮影をしてから捕らえ持ち帰りました。

さっそく名の同定を行うとともに,翌日撮影をすることに。それによって,フクラスズメと判明したのです。


写真を撮っていて,たしかにスズメ(雀)を連想するほどの毛で覆われているので,名の由来を合点。おびただしい毛にはすっかりびっくり。


ひっくり返すと,ほんとうにスズメに似たからだが現れました。ついでに,口吻をそっと伸ばして撮りました。 


口吻が2本合体してできあがっていることがよくわかります。さらに,先端に並んだ突起に目が引き付けられます。 

 
口吻だけを真横から観察しましょう。ふしぎな世界が広がっています。

 
口吻の先に付いた突起は,たぶん,たいせつな器官を保護する役目を担っているものと思われます。いろんなものに直接触れて餌を口にするだけに,じゅうぶんな対策がいるのでしょう。 


翅を広げると後翅が青い紋様をしているので,たいへん目立ちます。ただ,ちょっと触れるとバタバタ暴れるので,指で固定して撮らなくてはなりませんでした。幼虫の派手な動きとそっくり! 開帳80mm。


越冬態は成虫とのこと。つまり,この成虫がこのまま春まで眠りに入るということです。「よし,確かめてみよう」と決めました。ただ放っておけばよいので,簡単です。

こうしてこの日がきっかけになり,わたしの頭のなかでフクラスズメの幼虫と成虫とが結び付いたのでした。