自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

草むらのツチイナゴ

2015-12-26 | 昆虫

今日26日(土)は仕事場の仕事納め。本来なら28日なのですが,その日が月曜で休館日にあたるため,今日が本年の最終日。

朝から周りの環境整備をして,きれいに掃除をしました。といっても,落ち葉だらけなので,それを集めたのです。大きなクヌギの木があるので,落ち葉が地面や溝に溜まりに溜まっているといった状態です。それをある程度集めて袋詰めに。もちろん,腐葉土にするためです。多過ぎて集め切れなかった分についてはしばらくそのままにしておきます。その方が,地面がむき出しにならず適当に湿り気が保てて,見た目にも柔らかな雰囲気がしますから。

作業をしながら,ひとときの休憩。脇の山林の裾にある草むらを観察。草むらといっても,ごく狭いスペース。ここはわたしのお気に入りのところです。なにしろ人手がちっとも入らないところなのですから。もしかすると,今の時期だっていのちの動きが見えるかもしれません。そんな期待感をちょっぴり抱いて歩いてみました。

すると! 突然枯れ草の間からバッタが飛び出して来たのです。草にそっくり! 正体はツチイナゴでした。成虫越冬をする昆虫なのですが,それほど出合うことはありません。やはり今どきとしては珍しいといえるでしょう。

ツチイナゴは近くの枯れ草に止まりました。保護色をしているので,大抵なら見つけるのはなかなかむずかしいはず。そっと近寄って,写真を撮りました。こういうときは,コンデジを携行している利点が実感できます。


撮っていると,わたしの動きがわかるのでしょう,その場で茎の周りを回るようにして移動しました。わたしから遠ざかろうとする動きです。草食昆虫としては,“隠れる”“逃げる”という動作が最大の防御策であることがわかります。

ここで,さらにもう一枚。


そんなふうに写真を撮っていると,お年寄りが一人傍を通りかかって,こうおっしゃいました。

「なにかいるんですか」

イナゴの話をすると,近寄って来て実物を見ながらこうおっしゃいまいた。

「ほほーっ! 今頃,イナゴがねえ。ふだんから気に掛けておかないと目に付かない話ですねえ。まるで,テレビの生物番組のようですね」

そうして,「わたし,医者から一日に1時間歩くようにといわれて,毎日歩いているんです。健康じゃないから,このようにしているのですがね。あなた,楽しんでくださいよ」といわれたものですから,わたしは「ありがとうございます。からだの調子がいいように保っていく努力はたいせつですね。いつまでも元気でいてください」と応えました。 

こんな調子なので,相変わらず“自然となかよしおじさん”であることを口にするほかないようです。