自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

探検活動 ~クズの根掘り(Ⅰ)~

2015-12-21 | 随想

春のこと。山で探検活動をしているとき,参加されているひとりのお母さんが「秋になったら,クズの根を掘りたいなあ」とおっしゃいました。クズを使った遊びについて話題になっていた際です。もちろん,参加者はだれも掘った経験なし。わたしは何度か掘ったことがあり,クズの生態のスゴサに触れると,掘りたい気持ちが増幅していったようです。

ここからは,すこし前の秋の話です。

そして,秋を迎えました。春に「掘りたい」といわれたお母さんがその場所を探してこられ,みんなで出かけることに。

そこは山奥にある集落の,いちばん上。そこからやってきた方角を見下ろすと,遥か山々が続いています。放棄された畑にクズが生え,安全に掘れる場所です。所有者の了解のもと,掘ることになりました。ただ,茎が四方八方に広がっているというほどの派手さはなく,数本横に伸びているといった感じです。子どもの力なら,このぐらいでちょうどと思われました。


子らは探検活動にすっかり溶け込んでいるので,上学年のリーダーを中心にして見事なスクラムぶりです。 どんどん交代して,「ここ掘れ,ワンワン」のリズムで,作業を進めました。


結果,掘り上げたのはごく細い根っこ。それでも,みんな満足。わたしは少々残念に思いましたが,子どもたちのうれしそうな顔を見て,「これはこれで,マア,いいか」」と納得。


さらにうれしいことに,一人のお母さんがクズ粉とお湯を準備して持って来てくださっていたこと。作業後にいただいたクズ湯の,なんともいえない旨み。心遣いを感じました。感謝。いずれ,この根からクズ粉を取り出す予定です。


こんなふうに,ちょこっと探検はみんなの力で快調に進んでいます。