自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

冬の“虫の目”写真(2)

2015-12-16 | 随想

この地方は,初冬の風景は褐色がかっています。赤いモミジもあるにはありますが,遠くから見るとやはり黄色や褐色が強烈です。枯れ草が地面を覆っているほか,木々の葉がクヌギを主体にした落葉樹であることが大きな要因です。植林がなくて自然林だと,もっともっとすてきなのになあと思うのですが,今更そんなことをいっても始まりません。

曇ったこの日,集落前を流れる河川の堤防に出かけました。モデル役は飼育中のカマキリ。辺りは褐色の風景が広がっています。堤防から河川敷と水面を見下ろす位置は,自然の広がりを描写するのにぴったり。モデルの動きが気温に比例したように鈍いのが幸いして,ゆっくり撮影できました。わたしの姿勢は腹這い。人がご覧になったら,「なんだろう」と不審に感じられるかもしれません。 


カメラの位置を変えて集落を遠望しながら撮りました。薄日が差して,カマキリの輪郭がくっきり出ました。 


家並みとカマキリとの間には,上の河川に合流する小川と国道,そして畑地があります。その空間が奥行を演出していればよいのですが。 

 
冬の“虫の目”は出番が多くはありません。虫の出現数に比例しているのですが,注意深く観察していれば,思いがけない出合いがあるかもしれません。それに期待しておきます。