自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

タンポポを訪れた昆虫(その9)

2013-04-28 | 昆虫と花

風が強く吹いて,寒さを感じる日,ウォーキング中にハナバチに合いました。

タンポポの花は風で揺れています。こんな日はたぶん昆虫は見当たらないだろうと思っていましたが,意外にも見かけました。どうやらコシブトハナバチ科に属するニッポンヒゲナガハナバチのようです。

まず,毛の多さには驚かされる風貌です。体型は小さいのに,誠に立派な毛並みをしているので,大した虫だなあと感心してしまうほどなのです。それにからだに似合わないくらい長い触角と肢をもっているのが印象に残りました。触覚からオスと推測できます。虫自身は,もし自分を客観的に見つめる能力があれば,体型に誇りを感じかもしれません。 

調べると,出現期は春だけで地中に巣をつくるのだそうです。道理で毛が多いはずです。夏から春先まではじっと地中で生活しているだなんて,ふしぎな昆虫に思えます。このタイミングで活動することで,種として生存しているのですから,環境にみごとに適応していることになります。

風が少々吹こうが,我が道をゆくというたくましさが伝わってきます。 

 


アリの飛行

2013-04-28 | 昆虫

暖かい日の昼どき。畑で野菜・果樹の世話をしていると,足元にアリがうじゃうじゃいるのでもうびっくり。刈った草が枯れ始めているところです。よく見ると,翅の生えた比較的大きめのアリがかなりいます。

「ははーん,時期を迎えて巣の移動か,分巣かだな」と思って,しごとを続けました。

そして別のアリの集団を見つけたのです。今度は,ジャガイモの株際です。巣穴から出てきたアリがわんさと葉に上がっています。見ていると,翅を付けたアリが一匹ずつ,さっ,さっ,という感じで飛び立っていくのでした。それはふしぎな光景でした。

どんどん飛び立っていくので,見上げると,なんとそこにアリの群飛風景が展開していたのです。カ類の蚊柱・群飛と同じです。蟻柱とでもいえるでしょうか。わたしにはほんとうに巨大な柱に見えました。それぞれの翅が太陽の光を浴びて輝くのですから,マア,スゴイ光景です。二つの集団のアリが混ざっていたのかどうか,それはわかりません。混ざる性質があるのか,それもわかりません。とにかく,大きな群れを成していました。

夕方近くそこに行くと,群れはもう見当たりませんでした。大きな翅アリが一匹だけ取り残されたようにいるだけでした。跡形もなく消え去るという言い方がありますが,そのことばがピッタリです。

こういう話を聞くのは好きではないという人もあります。人それぞれなので,それはしかたありません。しかし,そんな生態を持っているということを知っておくのは,自然を理解する上で役立つのではないでしょうか。