自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

タンポポを訪れた昆虫(その2)

2013-04-15 | 昆虫と花

『その1』の続き話をしましょう。

バッタの幼虫が排泄する写真を撮った翌日のこと。もう一度そこに出かけて昆虫を探し回りました。もちろん,いのちの躍動と巡り合いたいからです。

この日も前日に続いて快晴。絶好の撮影日和になりました。いくつかの昆虫と出合いました。なかでも,バッタの排泄行動を生々しく記録できたのが最大の収穫でした。こんな場面には願ってもなかなか巡り合えないのに,なんと二日続きになりました。それも,じっと待っていてそのチャンスに恵まれたというのでなく,まさに偶然その瞬間が飛び込んできたといった感じなのです。

今日はフラッシュを準備しました。というのは,食餌行動をして口を盛んに動かしているので,ボケた映像にならないように写したかったからです。ところが,撮影中あいにく電池を交換しなくてはならない羽目になりました。それで交換し終わった直後の出来事でした。

ファインダーを覗いていると,肛門が開いて糞が見え始めたのです。色はくっきりした褐色です。明らかに食材の色が反映しているはず。ラッキー! わくわくしながら,大急ぎでシャターを切りました。糞はゆっくり出てきました。 

それまで盛んに口を動かしていた幼虫は,食べるのをしばし止めたように見えました。糞は出終わってから,ほんの一瞬肛門にくっ付いた状態になり(下写真),そうしてからだから離れていきました。 

出始めの記述の際「ゆっくり」と書きましたが,ここまでの経過はほんの10秒程度。その瞬間は脳裏にしっかり焼きつきました。

排泄し終わった後,幼虫はまた口を動かし始めました。食欲もりもりです。糞をした瞬間のことなど,まるで頭にないよう。 

体長はせいぜい1cm。この世界にも,動物にとって最も基本的な生物的事実“食べる”“排泄する”という営みが展開しているのです。