自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ニンジンの根

2012-11-01 | 生物

畑に掘り残したニンジンが一本。ごく小さいものなのですが,葉をそれなりに伸ばして生長していました。それで,水をかけながら丁寧に掘り上げました。持ち帰って水道水できれいに洗って,少し乾かし,それを写真に撮りました。

 

ニンジンの根は,中心にドーンと主根があって,その周りに側根が生えています。あちこちからそれこそ無数に生え出ているといった感じです。

側根を拡大してみましょう。側根の出る箇所はきまっていて,縦方向の根に対して横向きにできた窪みからです。そこから束状になって出ています。

 

もう一枚。

 

スーパーなどで売られているニンジンは,側根など構うことなく抜き取り,しっかり水洗いにしたものです。結果,主根以外の根はきれいに落ちています。それで,「これがニンジンの根丸ごと」だと早合点してはなりません。「大きな根にはそれだけたくさんの側根が付いていた筈だ」,そんなふうに想像力を巡らすことができたら,自然にもっと近づけるでしょう。

生えているニンジンの根をもし観察できたら,赤い主根のぐるりから側根が無数に伸び,側根の一本一本に想像を絶する根毛が付いているのを目の当たりでできるでしょう。そして,驚異の世界に仰天することになります。その一端を見たければ,根の水栽培をすれば十分。きっと,土の中の世界が広がる筈。

ニンジンは大きくなって茎を伸ばし,その先に花を咲かせます。そのために根を丈夫にして根毛から水分と肥料吸い上げ,葉を増やし広げます。四方八方に広がった葉は日光を受け取る化学工場。気孔から吸った二酸化炭素と,水分と光のエネルギーを材料にしてデンプン・ブドウ糖を製造するのです。

つまり,根のしくみは相当な緻密さを備えているということです。ニンジンの根は,元々はけっして人間に食べてもらいたくて育っているわけではないのです。

根一本を構成する主根,側根,根毛を全部つなぐと,いったいどれだけの長さになるでしょう。そして,花を咲かせて種子をつくるまでに吸い上げる水の量はどれだけになるのでしょう。そんな想像を巡らすのも観察のたのしさです。 

ついでにひとこと。この根をまるごと紙に漉いてみたくてやってみたことがあります。もちろん,できました。植物繊維がちゃんとある証拠。

 


ミュージアムフェスティバルの日は……

2012-11-01 | 日記

10月28日(日)。 朝から一日あいにくの雨。秋晴れが続いていたのに,この日に限って週間天気予報のとおり雨。野外でミュージアムフェスティバルが計画されていて,わたしも協力者として参加することになったいたのでした。この日に向けて,準備を着々進めていたのにがっくり。

雨でも会場を室内に移して実施することに決まっていたので実施はできたのですが,間違いなく来場者が少なくなります。そんな心配を抱く中,開始時刻午前10時を迎えました。

わたしのブース名は『火打石で火を起こそう』というもの。火打石は川原で拾ったチャートや石英。火打ち金は市販品や手作り。手作りのものは,板に鋼鉄(ヤスリ,金ノコの刃)を打ち込んだ道具。

体験者には簡単な説明をして,まず火花を出す練習をしてもらいました。

慣れてきたら,火口に火花を落として種火にしてもらいます。やりかけるとたのしいらしくて,子どももおとなも夢中になりました。 成功しなくてはおもしろくないので,しっかり助言します。種火から炎をつくり,それをろうそくの芯に点火します。灯りがともると大きな拍手が起こりました。

下写真の人は,親子4人連れで大阪から来られていました。「めっちゃ,おもろい!」というわけで,何と二度も挑戦。シートの上にどっかと座った姿勢が印象に残ります。二度の成功体験について,「こんなおもろいことができるなんて,大満足や。来た甲斐があった。ありがとう」とおっしゃいました。子どもよりおとなが熱中されたのです。こころの灯りがポッと感じとれるふれ合いの一こまになりました。

悪天候のため室内の活動になりましたが,このように来場者には満足感をプレゼントできて,出展者として十分に満足できたのでした。