自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

コカマキリを撮る

2012-11-19 | 昆虫

自宅の犬走りでコカマキリを見かけました。動きがとても鈍いのです。寒さにやられたと見え,すっかり弱っている様子。これならからだを接写するのに都合がいいと思って室内に持ち込み,撮影しました。 

小さいながらも威風堂々としたスタイルです。褐色のからだ,前脚の内側に見える黒・白・紫の紋はこのカマキリを特徴づけています。 

からだの各部分がよくわかるように,仰向けに置いて観察しました。静かにしていてくれたので,助かりました。

鎌そっくりの前脚で獲物を捕らえます。 鋭い棘がたくさん並んでいます。同じ方向にきれいに整列しています。恐ろしいばかりのこの姿は,カマキリが肉食昆虫であることを物語っています。この前脚を鎌足と呼ぶこともあります。

獲物を見つけると,目にも止まらない速さで捕捉します。こんな鎌で捕らえられたら,まず逃げられないのではないでしょうか。

三対の脚の付いた部分が胸にあたります。

長い触角を持ちます。それで外界を敏感に感じとります。目は複眼。 

拡大してみると……。

たくさんの個眼がきれいに並んでいます。白い紋様はフラッシュの反射光です。黒い点紋様は“偽瞳孔” と名付けられています。見ようとする方向で,複眼のどこにも移動します。この位置次第で,わたしたちはカマキリが注視している方向を確認できます。今,わたしの方を見ています。

夜間になると全体が黒色に変化して,獲物が見えるしくみなのだそうです。頭の大きさと眼の大きさを比べると,眼の果たす役割がどんなに大きいか理解できそうです。

腹がこんなに膨らんでいます。消化器官・呼吸器官などで詰まっているのです。 各節に一つずつ気門があるのがわかります。腹先の毛の付いた一対の槍状のものは何か,わたしにはわかりません。ただ想像する限りでは,交尾時に役目を果たすものかもしれません。

カマキリの活動季節はもう終わりです。卵にいのちを託して静かに死を迎えます。