自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その176)~植木鉢作戦Ⅲ⑩~

2012-11-08 | ジャコウアゲハ

11月8日(木)晴れ。今朝の最低気温6.2℃。

朝幼虫を観察すると,昨夜と同じ場所にじっとしていました。昼,植木鉢の縁上を歩いていました。まだ移動してたのでびっくり。それで,植木鉢から出ていかないように,作戦を二つ立てました。一つは,割り箸を立てます。もう一つは水を張った入れ物に鉢を置くのです。運がよければ箸に登って蛹になってくれるでしょう。また水の入った容器を準備すれば,幼虫はここから出ていけません。さて,結果は?

なお,下写真で矢印①が割り箸,②が観察中の幼虫,番号のない矢印が蛹です。

 

夕方近く,びっくり! なんと,割り箸に付いているではありませんか。そして,逆立ちの姿勢で尾端を付けるための絹糸を出していたのです。

 

これを拡大してみると,紡ぎ出された絹糸の塊り(矢印)が見えます。

このときの様子を,接写で写したのが次の写真。矢印の先に見えるぼんやりしたモノが絹糸です。幼虫は頭を上げて,ゆっくり左右に振りながら糸を紡ぎ出していました。

 

暗くなって午後6時に再び観察。もう頭は上側に来ていました。尾端はしっかり箸に接着しているようです。今度はいよいよからだの落下を防ぐための帯糸を出すしごとが始まります。

午後8時。しごとの最中でした。帯糸をしっかり付ける姿が印象に残りました。極細の糸が口から生まれていきます。

割り箸が細いので,からだをぐうっと回して糸を接着します。

間もなく前蛹になる準備を終えます。 

 


ウスタビガ,羽化する!(続)

2012-11-08 | 昆虫

写真を写してから,野外に放してやりました。今はどこにいるやら。

さて,放す前に写真記録を残しておこうと思って,数コマ撮りました。わたしなりに貴重な像だと思われますので,本記事でも紹介させていただきます。

壁に付けておいた蛹から生まれ出たのです。縦に切ったので輪ゴムを巻き,閉じた状態にしていました。狭い部屋から,これだけのガが誕生したことは感動物語です。

 

円い斑紋は透明な膜になっています。紋の向こうに,色紙を置いて撮影。左から,青色,赤色,黄色の順です。右端は背景にあるカキの葉の色です。

斑紋を拡大してみると……。

 

この斑紋は,たぶん,仲間を識別する際の重要な役割を担っているのでしょう。

前翅と後ろ翅が重なった部分を観察すると,重なりが見えます。ここから,結構厚さは結構薄いということがわかります。機敏に飛べなくても,重いからだを支えてそれなにに巧みに飛翔するのに,薄さが体内デザインとして織り込まれているわけです。

それにしても,からだ本体は実に丈夫に装備が行き届いているようにみえます。大した毛並みです。少々の寒さや雨といった悪天候に見舞われても,マア大丈夫でしょう。