『ジャコウアゲハ観察記(その178)』(11月10日記事)で触れた個体について報告しましょう。
11月14日(水)正午。観察に出かけました。「もしかすると……」と期待を抱いて行ったのですが,まだ蛹化していませんでした。自然界で,今の気温で無事にいのち長らえようとするのはたいへんなことに思われます。
11月15日(木)午前10時。棲息地はカラスガイの放流排水路に近いので,放流するついでに立ち寄りました。やっぱり前蛹のままです。頭のあたりを指でほんのすこしだけ触れてみました。大丈夫,動きました。しかし,臭角は出ませんでした。
11月16日(金)。勤務のため観察に行けず。
11月17日(土)午前7時。雨模様。昨日観察できなかったので,今朝見に行きました。やっぱり前蛹のままです(矢印部分)。今日も指を触れてみました。ゆっくり動きました。まだ大丈夫のようです。
11月18日(日)午前8時30分。我が家の前蛹が蛹化したので,「もしかすると,これも蛹になっているかもしれない」と思って確かめに行きました。すると,どうでしょう。そのとおり,オレンジ色の蛹に姿が変わっていたのです。こちらも無事に!
変化が重なった理由を考えると,けっして偶然ではないように思えます。家の個体は,もしかすると同時期に産み付けられた卵から孵化した幼虫であって,それをここから持ち帰ったものではないでしょうか。 そう考えると,成長加減が自然環境から同じように影響を受けてこの日を迎えたことになります。正直な結果が出たわけです。
成長には個体差が出てくるのがふつうなのですが,今回はふしぎにも似通った結果になりました。
ともかく,寒さを克服して蛹になれました。来春の羽化をたのしみに待ちましょう。