hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

リサイタル後記3

2008-06-26 23:08:30 | sax_2008リサイタル
今回は時代をさかのぼるプログラムとなったが、それは演奏したいと思う曲をあげて、バランス良く配置した結果であり、実は最初から意図したものではなかった.

委嘱作品を一曲目に配置することは、もしかしたら失礼なことだったのかも知れないが、当初から純明さんの作品を幕開けに置きたいと考えていたし、全体のバランスを考えれば、やはり一曲目が妥当だという結論に至った.

「時代をさかのぼる」ということは曲順を考えるだけではなく、その時代やスタイルに沿った演奏をしなければならない.

例を一つあげればヴィブラートの変遷がある.

前半の現代作品では音楽や音、音響の構造をミクロの世界で表現するような場面が多く、音楽的なヴィブラートは構造を表す上で邪魔になる場合がある.
従って、ほとんどヴィブラート無しで、また楽譜に指示されたヴィブラートは
機械的に音程を上下させ、意識的に滑稽なヴィブラートとなるよう演奏していた.

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