虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

ロマン・ロランの反戦小説

2007-08-23 | 読書
「魅せられたる魂」が反戦文学だけど、あんな長いものイヤという人には、短い時間で読める「ピエールとリュース」という小品がある。地下鉄の混み合う車内で知り合った少年少女のたった2ヶ月の恋物語。空爆下のパリが舞台だ。

吉永小百合も、昔、「この「ピエールとリュース」なんかもすきなんです」と言っていたのを覚えている。ロマン・ロランファンにとっては、愛すべき可憐な作品だ。

もうひとつは、「クレランボー」。はじめは戦争に賛成していたが、息子の戦死をきっかけに戦争に疑問を持ち、一人、戦争反対の声をあげ、暗殺されてしまう、という一市民の物語。

「クレランボー」は全集の中にしかないけど、「ピエールとリュース」は文庫になったこともあるし、これ1冊でも出版されているので、こっちの方が手に入りやすい。作品としても、「ピエールとリュース」は美しい。年老いて、堕落してしまった身としては、あまりにも美しすぎるけど。

戦前、この二つを訳したのは、あの鞍馬天狗の大仏次郎。大仏次郎もロマン・ロランが好きだったようだ。鞍馬天狗の正体はジャン・クリストフかも(笑)。

画像は八島湿原

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