虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

大学教授 原子力賠償紛争審

2011-09-23 | 新聞・テレビから
今日の朝刊のトップニュースは当然、野田総理の国連での「原子力安全」に関する演説だと思ったが、そうではなかった。「原発再開」を宣言した演説は、さすが1面トップには持ってこれなかったのだろう。「首相、原発収束、年内に」という見出しで、1面の下段にのせていた。財界やメディアからは歓迎される演説だけど、国民からは不信を抱かれる演説なので、こんな処置にしたのだろう。姑息。社説では、なんと書くのだろう。まあ、それはおいておいて・・。

1面には、原子力賠償紛争審査会の2委員が、電力会社の団体から報酬をもらっている、という記事があった。これには、あきれてものがいえなくなった。

「日本エネルギー法研究所」という団体は、電力会社が運営費を出し、「学者を味方につけるために」作った団体のようだ。そこの理事、所長をしている野村豊弘(学習院大学教授)と研究部長をしていた大塚直(早大教授)が紛争審査会の委員になっていた、という。今はこの団体を辞めているが、審査会委員になるまで、この団体の役職者だった高橋滋(一橋大学教授)を入れると、この電力会社が作った団体に関係する人物が、審査委員9人のうち3人もいたことになる。審査委員の三分の一が電力会社に世話になっているわけだ(他の人物はどうなんだ?という疑いも出てくる)。

記事によると、大塚 直の場合は、週に1回ほど、研究所に行っていたが、報酬は固定給で20万円とある。大塚氏の場合は、審査会委員になって、周囲の助言で6月頃、団体を辞めたそうだが、本来なら、電力会社と深いつながりのあった人なら、審査委員を引き受けるべきではないだろう。断るべきだ。それとも、そういう人物(電力関係者)だからこそ、審査委員に選ばれたのか?

委員を選んだ文科省は「疑義が生ずれば、そのときに対応を考えたい」として、今すぐ対応することは考えていないようだ。おそらく、だれも文句をいうまい、文句をいってきたら考えよう、と国民をなめているごとし。これからどうなるか注目したい。

松本清張の小説では、大学や大学教授の腐敗、文科省との癒着などがよく描かれるが、大学教授は、「地位と金」に一番執着している人物かもしれない(もちろん、例外もいるだろうけど)。

そんな(欲と金の巣)大学に入学するために、多くの子供達が、受験勉強に心身をすり減らされているわが日本。あーあ。

追加

あとで、損害賠償審査会委員の名簿を見てみたら、あの悪名高い「山下俊一」の名前も出ていた。また、元原子力安全委員長でにいた田中俊一もいた。

いったい、原子力損害賠償審査委員会とはなんだ?こんなところに、住民は被害の調停、審査をたのむのか?