虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

除夜の鐘

2010-12-31 | 日記
大晦日の夜、特に寒い夜などは、ときどき、吉川英治の「宮本武蔵」の一場面を思い出す。中学生くらいの時、読んで妙に印象に残った。
はっきりとは覚えていないのだが、武蔵は、大晦日、暖かい家の中ではなく、外で寒風の中、一人、たき火をして過ごす。たしか、もちを焼いていたのではなかったか。そのとき、除夜の鐘がゴーン。うーん、これが武蔵の正月か、と感心したものだ(笑)。

いろいろな正月がある。バイト先で働きながら正月を迎えた年もあった。
ストーブや酒や紅白歌合戦もない大晦日を過ごしている人もたくさんいるだろうと思う。

山頭火は昭和5年の大晦日は九州の飯塚町の宿で過ごしている。「わたしの一生は終わったのだ。そうだ来年から新しい人間として新しい生活を初めるのである」と日記に書き、「うしろ姿のしぐれていくか」という句を残している。

酒はゆうぜんと飲み、とうぜんと酔うべし、とは山頭火の弁。
ゆうぜんと酒を呑んでから寝ます。

みなさん、よいお年をお迎えください。