虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

ドキュメント現代史

2008-10-03 | 読書
1970年代に、筑摩書房から出されたドキュメント現代史の13冊(ロシア革命、中国革命、ドイツ革命、キューバ革命その他)をオークションで2000円で手に入れた。

ブックオフよりも安い。オークションでも1冊1000円で売られている店もあるのに、1冊200円以下の値段ということになる。他にも落札者がいたら値は上がるが、だれにも気づかれないときは、最安値で手に入れることができる。オークションからは目が話せない。

このシリーズの「ロシア革命」は持っているので、買って損はしない本だと思っている。
それにしても、70年代の出版界は意欲的だったと思う。良心的な本が多かった。その後30年、出版不況というか、世界を、現代史を、市民のために提供しようとする意欲的な企画はない。今こそ、現代史が必要なのに。

イラク戦争、アフガニスタン、イスラム世界の現状、ソビエトの崩壊、中国の変貌、アジアの動乱、アメリカ帝国の狂気、そして、80年代から今日までの「日本の転落」などなど。本来なら、今こそ、世界の同時代史が必要だ(どこの国のことも、さっぱり知らないのだ)。再度、ドキュメント現代史が出されなければならない。でも、イラク戦争一つにしても、市民のために書かれた決定版的なドキュメントはまだないのではないだろうか。どの事件に対しても、われわれはあいまいなままの情報しか与えられていない。学者、ジャーナリスト、出版界の良心の火が消えているのか。