虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

朝刊に出たトロツキー

2006-08-05 | 新聞・テレビから
今日の朝日の朝刊、土曜日にいつも連載している「愛の旅人」シリーズは、トロツキーとフリーダ・カーロのメキシコ、コヨアカンが舞台。コヨアカンの「青い家」の大きな写真が出ていた。トロツキーの最後の土地、コヨアカンは行ってみたいところだ。

ドイッチャーの3部作では、トロツキー(57歳)とフリーダ・カーロ(29歳)の恋愛は、匂わせる程度でほとんどふれていなかったけど、やっぱりほんとうだったのですね。秘書が書いた「トロツキーとの7年間」に詳しく書いているそうな。今度、読んでみよう。

この連載は「愛の旅人」がテーマなので、トロツキーがどんな生涯を送り、何のために闘ったかについてはほとんどふれられてないが(新聞の1ページや2ページではとても無理だろう)、トロツキーの孫にあたるボルコフ(セヴァ)さん(80歳)に取材して話を聞いているのが貴重だ。この孫とはトロツキーは死ぬ前の1年間を共に過ごし、ドイッチャーのトロツキー伝には、トロツキーと妻と、このセヴァ少年がいっしょに写った写真が出ている。

トロツキーの本は、ロシアでは、ソ連が崩壊するころまで発禁だった。ロシア以外の国でも、トロツキストという悪魔的レッテルが災いして素直に近づけない雰囲気だった。

記者は、トロツキーの本として、たくさんあるが、「わが生涯」(岩波文庫)がおもしろいと紹介している。これもおもしろいが、トロツキーの最高傑作といえば「ロシア革命史」だ。

なにせ、全5巻あるから、わたしも全部は読んでない。とちゅう、かっとばしながら、ところどころ読んだだけで大きなことは言えないけど、こんなにおもしろい歴史書は世界にないのではなかろうか、と思うほど。ただ、腰を落ち着けてじっくり読もうとしないのだけど・・・。岩波文庫に「ロシア革命史」を入れるように強くすすめたのは松田道雄さんらしい。岩波文庫はすぐ絶版になるので、これだけは出たときに迷わずに買いました。

「わが生涯」にしても「ロシア革命史」にしても世界文学級の作品なのに、読書界で話題になるのはほとんどないのが残念。虎尾を踏むことを恐れるのだろうか。
で、ここで紹介したしだい(笑)