虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

宮城公子「大塩平八郎」

2005-08-11 | 読書
宮城公子の「大塩平八郎」(朝日評伝選)をネットの古本屋で手に入れた。
1000円。
この本は前からほしかったけど、大きな図書館にしか置いてなく、コピーして読んだことがことがある。
30年近く前に出された本だけど、戦後(太平洋戦争後だけど、当然)に書かれた大塩平八郎の本としては最高傑作だと思う。

ネットのいいところは、遠くの古本屋さんからも注文できることですね。ちなみに、これは鹿児島の古本屋さんから手に入れた。

大塩の乱について、森鴎外は、大塩の思想とあの乱は関係ない、としているが、この本は大塩の内面、思想をかなり詳細に追って乱の謎に挑んでいる。とにかく、真正面から大塩に向き合って語り、中身が濃い本だ(事実関係も詳しい)。

この宮城さんは、中央公論の「日本の名著」でも大塩の解説をしている。その後、この人の大塩論を目にしないので、なくなったのだろうか?とずっと思っていたけど、ネットで調べると、ごく最近「幕末期の思想と習俗」とか出していて健在なのを知った。
また、この「大塩平八郎」は今年、ちがう出版社から復刊されているようだ。