らんかみち

童話から老話まで

田母神さんがどれほどのもんか

2009年03月02日 | 社会
「真の近現代史観」で物議をかもした田母神さんが歌手デビュー!? という報道を聞いて、政界デビューの間違いじゃないの、と思ったのはぼくだけじゃないはず。ちょうど右のスラッガーと会う機会があったのでその辺のことを聞いてみたんですが、はっきりしません。そのかわり田母神さんの著書を貸してやる、といわれたんですが、ぼくもあの懸賞論文は読んだし、興味があるのは他の方の受賞論文なんです。
 それにしても田母神さん、ゴルフが上手らしいだけでなく歌もお上手とはね。航空幕僚長だったなら戦闘機も操縦できるんだろうし、なんと多才な方でしょう。
 
 政界デビューなら、安倍元首相に近い方といわれるだけあって自民党からの出馬だろうけど、歌手デビューならやっぱり『帝国蓄音機』から? なんてチャラけたことを言ってたら、右向き一直線の真面目男のへそが曲がりそうになったのでやめました。たぶん、氏が歌手デビューすることを快く思っていないのでしょうが、その気持ちは分かります。
 かつて将棋の内藤国雄九段が『お雪』で歌手デビューしたとき、ある棋士が内藤九段と対戦して勝って言うには「歌手に負けるわけにはいきませんから」
 芸能界の反応はというと「騎士か棋士か知らんが、所詮は素人」みたいな扱われようだったと聞いてます。
 
 田母神さんは歌手デビューしても政界デビューしても、内藤九段のように荊の道を歩むことになるでしょう。ラブロマンスなど歌おうものなら「愛国の歌をうたわんかい!」となじられそうですし、政界に身を投じたなら過去の言動を発掘して揚げ足取りを狙う者が出てきそうです。
 さくらパパのようなのは例外としても、人気だけで政界を渡り歩くのは、防弾チョッキ無しでアフガニスタンの最前線に出向くようなもの。易しいことではないでしょう。
 
 内藤九段は今では、「人真似をしないどころか、自分自身の真似すらしない」と評されるほど独創性を追及する孤高の棋士として評価され、歌手としても認められているばかりか作家としても高い評価を受けています。
 田母神さんも歌手と政治家の二足のわらじを履いてみるがいい。セメント屋と総理大臣を兼務しながら最低の支持率をたたき出しても居座る人より、ずっとさわやかにちがいないのです。