らんかみち

童話から老話まで

春だから雪化粧する島

2009年03月03日 | 暮らしの落とし穴
 四国旅マガジンガジャ39号の特集は「四国の花風景」と題して、花の景勝地を紹介してます。でも各地の桜はまだ咲いてないわけだから、写真は去年撮影したものなんでしょう。あんまり写真がきれいなのと、八幡浜ちゃんぽんマップの付録にひかれて買いました。

 にしても、この前「春一番が吹きました」と気象協会が発表したのは、きっと何かの間違いだろうと確信できる今朝の降雪。島の山とはいえ、こんな日にうっかり登ったりしたら遭難……って、島の山で遭難なんかしたら一族郎党の恥さらし。そりゃそうでしょう、山頂付近までみかん畑になってるつぅーねん。
 
 でもぼくが子どものころには、となりの島では5月の半ばにも雪が降っておりました。そりゃもう山という山が真っ白になってしまうほどでしたが、「あれは雪ではなく、除虫菊の花が咲いたんじゃ」と母に教えられたもんです。
 因島辺りでは今でも栽培されるらしい除虫菊ですが、化学薬品が普及したのと合成除虫菊成分の開発により、観光用と種の保存が主な目的となってしまったようです。
 
 あの時代の島の春はみかんの花の香りに包まれながら、除虫菊の白い花を観賞できたんですね、すばらしい。今の蚊取り線香は咽や鼻への刺激が強すぎて使う気になれませんが、だからといって除虫菊が再び島で栽培されることはないのでしょう。がんに効くと分かって菊! なんてブームが起きない限り。
 
 そこで島おこしとして、除虫菊の代わりに蕎麦を栽培したらどうでしょう。昔は栽培してたそうですから問題は無いはず。ウナギやフグの産地偽装が問題になっているなか、そば粉はもっと出鱈目だとぼくは踏んでます。国産と表示されたものより、初めからミャンマー産、アメリカ産、中国産と表示された粉を買うほうが安心というもの。ぼくが打ってみた限りでは中国産の味は国産に劣りません。
 
 ですが中国は蕎麦に20%もの関税をかけ、それにつれて国産も便乗値上げがありました。その関税が昨年末で撤廃されたというのに、粉の値段が下がらないのはどうしたことか。
 というような事情なので、もしかしたらみかんを栽培するより蕎麦を植える方が儲かるかもしれないなと、雪化粧をした山を見ながら考えたのでした。