らんかみち

童話から老話まで

世界ふれあい街歩きの裏側

2015年02月24日 | 暮らしの落とし穴
「世界ふれあい街歩き」というテレビ番組を観て驚いた。ガイドブックを片手にカメラを担いで一人で街を歩くというスタイルは安上がりなので、アマチュアで真似をしている人は多いと思うけど、本家は練りに練られたストーリーと徹底した仕込みがあるんじゃなかろうか。

 どっかの待合だかて観たのはハワイ編で、マウイ島のホキパビーチをカメラマンの旅人が歩いている。とそこへ、ウィンドサーフィンのギアを抱えたおじさんが現れて波に乗り始める。おい、そのおっさん、ロビー・ナッシュっていう世界チャンピオンじゃないか!

 彼をそこいらの爺さん扱いしていたので、思わず立ち上がってNHKに抗議電話をしようとしたら、「やつはウィンドサーフィン界のレジェンドだ」みたいな解説を現地人がしていた。それで良いんだ。

 あれは絶対に仕込みだった。第一線を退いたとはいえ、ロビーのような人物がカメラの前にたまたま現れ、フォワード・ループみたいなマニューバを気安く披露してくれるわけがない。小さい波だったから、失敗したら笑いものになるじゃないか。 
 ぼくが知らないだけで、あの番組には意外な大物が登場しているんだろう。ぶらりと入った鍛冶屋さんが、実は世界的な名工だったりするんじゃないかな。郷土料理をこしらえているのがカリスマ主婦だったり、楽器を演奏していたのは知る人ぞ知る名演奏家だったりするんだろうな。一見のんびりした番組だけど、テレビの前で畏まっていないとね。