らんかみち

童話から老話まで

インパクト・ドライバーを買うエクスキューズ

2014年01月12日 | 暮らしの落とし穴


「防災士たる者、率先して自宅の家具を固定すべし」と、L型金具を使って家具を固定する方法を勧められた。そんなことは先刻承知しているんだけど、インパクト・ドライバーを買えといわれたのは初めてだった。
「インパクトドライバーは安物を買ったらだめですよ。家具を固定するときには一つ注意があります。まずは安い家具から練習しないと挫折します」
 そうだよね、いきなり高級家具をL型金具のような無粋な物で傷つけるのは度胸のいること。いちいち頷ける講義だった。

 うちの家具はだいたい固定されている。万事に几帳面で抜かりのなかった父が30年も前に実施していた。でも家具を固定するっていうのは、移動を不自由にすることなわけで、父の功績を否定はしないが、ぼくとしてはそこに抵抗がある。
 しかし東南海地震の危険が差し迫っている今、ポリシーがどうのこうのといってられない。やるしかないんだ!

 というのが、インパクト・ドライバーを買うことのエクスキューズだな。つまり、インパクト・ドライバーが欲しくて仕方なかったんだ。でも安い物じゃないので、自分自身を納得させる理由が必要だった。
 電動ドライバーは持っているので、家具の固定なんて実はそれで十分なんだけど、インパクト・ドライバーがあればさらに楽にできる。電池2個付きで14800円って、酒につぎ込む金があるなら、さっさと買っておけってことだよね。