らんかみち

童話から老話まで

並行もんの人生さ

2012年03月03日 | 酒、食
 つい先日、並行輸入されたシーバス◎ーガルが1980円だったので買ってみた。ウィスキーを飲まない人のために説明すると、鱸の王様ではなく、シーバスさんという人の名前らしい。かつては○ールドパーと並んで海外土産ウィスキーの双璧だったかも。
 ぼく自身も海外旅行したとき、免税店で18年物を買って飛行機の中で辛抱堪らなくなって飲んだが、いや~美味かったのなんの。12年物だってかなり美味しいはずだが、この並行もんはどうよ、こんな味だったかなぁ?

 酒屋の兄ちゃんに並行物と正規物の違いを訊ねたら「スコットランドから日本向けに輸出されたのが正規物、日本以外の国に輸出されたのを日本に持ち込んだのが並行物で、味は同じです」と、訊いたこと自体をを後悔させる優等生的答えが返ってきた。

 そういうことを知りたいのではなく、たとえば某国に輸出されたとして、その国の方がキャップを開けて安ウィスキーに詰め替えている可能性はないか、みたいな勘ぐりは下衆のやることかいな? と訊いたつもりだったが、それこそ下衆の訊くことだったらしい。お兄ちゃんの優等生ぶりに甚く恥じ入り、やはり並行輸入のタリ☆カー10年を買った。

 タリ☆カー10年を一言でいうなら、大人向けの雑誌などに広告が載っている、人生のピークを過ぎたウィスキー通を自認するようなおじさんが有り難がる、飲みにくいスコッチだ。
 酒を評するとき「飲みやすい」みたいな表現をするけど、飲みにくいという酒があるなら、それは自分の口に合わないというだけだろう。だが、タリスカーだけは「薬品臭くて飲みにくい」と多くの人が嫌う。そこが良いんだよな、この石炭酸臭さが堪らない、並行もんのオレの人生みたいで、2980円なりぃ~。