らんかみち

童話から老話まで

埋みご飯を抱ずんでみる

2011年12月09日 | 酒、食
 連日のように夜昼無く地域おこし会議に出ているけど、昨日の昼はコンサルタントによるヒアリングだった。かつて行政に対するコンサルティングをしていた人たちの仕事が減り、その分を地域おこしに携わっているNPO法人などにシフトしているのだろうか。
 行政に対し、こんな事業を始めたら活性化する、といったアドバイスをしても、細かい所にまで手が届かないとか、失敗を恐れるあまり上手く機能しない、というのがNPOに仕事を任せる理由のようだ。

 広島方面を担当しているらしいコンサルタントに色々と聞いてみたところ、少し古いのではないかと思われる情報を披露してくれたり、ベクトルが違うように思われることも多々あり。
 そんななか、福山市は「うずみごはん」の食ブランド化を推進しているのだとか。どんな料理かというと、ご飯を丼に半分だけ盛り、その上に鯛などの贅を尽くした具材をトッピングし、それをまたご飯で隠す、見た目は大変質素な料理なのだ。

 私見だけど、江戸時代に倹約令を発布した殿様が「自分が贅沢な食事をしていては庶民に示しがつかん」と、美味いものをコソコソ食っていたのを庶民が真似たんじゃないだろうか。
 福山では、うずみ=埋み=埋める、という意味なのだけど、同じ瀬戸内でも我が今治では全く違う意味になる。
「あんた、夜な夜な枕をうずんで男の家を泊まり歩きょろがね!」という用例の通り、うずむ=抱く、となる。漢字で無理に書くとすれば「抱ずむ」だろうか。
 
 この「夜な夜な枕をうずんで走る」と噂されるおばちゃんに会う機会があり、直接話を聞いたところ意外な事実が判明したのだけど、それはまた後日ということに。
 それにしても、うずみごはんを地域おこしの手裏剣に使おうと考えた人に敬意を表したい。「うずみのような見た目が地味な料理じゃインパクトが無いだろう」という冷ややかな意見が出て、恐らくはくじけそうになっただろうから。