らんかみち

童話から老話まで

作品は パクリじゃないよ 敬意だよ

2010年08月14日 | 童話
 他人さまの作品をパクったぼくの作品がようやく仕上がりました。30枚のはずが、終わってみれば54枚にのぼり、こんなのを火曜日までに読めと言うのかって各方面から怒られそう。そんなことより、お師匠さまからは「剽窃は絶対に許さん」と釘を刺されているのです。
 
 お師匠さまっていうのは実に愉快な方で、童話教室でも次々にジョークを飛ばし、「お笑い童話講座」と見まごうほどなのです。自分の言葉にはギャグを込めたり駄洒落を交えたりなさる方ですのに、他人の言葉はなぜか真に受けるお方なのです。ぼくがパクったと申し上げたら、「ゆぅ~るぅ~さぁ~ん!」と真剣に怒られました。
 
 著作権とかって概念の無かったバロック時代、バッハは先輩のビバルディやマルチェロなどの曲をたくさん編曲してます。駆け出しのころの勉強の意味はもちろんのこと、先輩たちへのオマージュとして、敬意を表して編曲したといわれています。「あんたらよりおれはすごいんだぞ」などという思い上がりは、まかり間違ってもありません。
 
          Bach : Adagio - Concerto after A. Marcello BWV 974
          

 映画のテーマなどで使われた、マルチェロの有名なオーボエコンチェルトをバッハがチェンバロ用に編曲したものです。良い曲ですね、編曲したくなったのも分かります。
 ぼくの今回の作品は年下の先輩の作品に触発されて書いたものです。同じ素材を使って料理したものですが、味付けもコンセプトも先輩作品とは全く違ってます。ああしかしです、お師匠さまがパクリだとおっしゃればいくらバッハを権威にものを言わせようが、それはパクリなのです。おお怖ぁ、熱帯夜も合評までの2、3日は肝を冷やして寝られそうです。