らんかみち

童話から老話まで

今夜はおたっきー

2009年09月28日 | 暮らしの落とし穴
 お焚き上げというのはきっとあれだな、男を作って家を出て行った女房がクレーンゲームでゲットしたぬいぐるみとか、他の兄弟に比べて不当に少ない遺産を分与された腹いせに、親父の仏壇を焼き払ったりして精神的勝利者たらんと目論む連中のための行事、と思っている人がいるなら、それは間違いでしょう。でも、お寺のお焚き上げに家庭ごみを持ち込む不届き者がいるのは事実のようです。
 
 思いのこもる遺品、霊魂が宿っているであろう人形、怨念の居座る仏壇などなどから、故人を偲び礼を尽くして魂を抜き、浄火によって天界へ還す行事、と考えていいのでしょう。早い話が、不用品処理に手を下すのをはばかる場合に、お寺さんの助けを借りようということでしょうか。今夜も菩提寺には塔婆やら仏壇を運び込んだ人たちの前で和尚様が経を唱え、お焚き上げは厳かに執り行われたのでした。
 
 お寺の世話人を賜っているからといってお焚き上げにぼくが出る必要はありません。しかし和尚様とはときどき酒を酌み交わす仲というだけでなく、勝手にエッセイに登場させていただいたりといった罰当たりをしているので、浄火していただこうかなと写真など撮影してみました。
 ただでさえ蒸し暑い夜なのに、業火のように燃え盛る前でのお勤めはご苦労様でございます、というか、ボランティアで寺男役をしてくださった方々にお礼申し上げます。