らんかみち

童話から老話まで

松坂投手の悪夢なら共感してみたい

2006年11月16日 | 童話
 今週も童話教室があった。今回合評をしていただいたのは、猫とおじいさんの心温まる交流を描いたつもりの作品だったが、「これはホラー作品ですか?」という先生の一言でぼくのもくろみは、あっさりとくじけてしまった。
 
 確かにおじいさんの亡くなった奥さんが夢枕に立ってあれこれ注文をつけるなんて、金縛りシチュエイションかもしれない。そういえば本日提出の作品も夢枕に立ってあれこれ、という話なのだが、「むしろこちらの方がほのぼのしている」なんて評されたらどうすりゃ良い?
 
 童話に限らないけど、物語の終わりを、「今までの話は全てHALちゃんの夢の中の出来事でした」みたいな夢落ちにしたら、それこそ「夢が無い」と言われる。そりゃそうだろう。自分の夢の中の出来事なら勝手に盛り上がって勝手に収束できるが、読まされる側にとってみたら「他人の夢に共感なんか出来るか!」ということになるのだろう。
 
 ライオンズの松坂投手の値段が60億円! メジャーリーグに行きたいという夢をかなえて、さらにその上に、アカの他人が彼につけた値段が日本人の過去最高額だったなら、カップラーメンをすすりながらニュースを聞いたぼくでも、やっかむ前に祝福を送りたくなるし、彼の夢の中の出来事なら、たいていの人は共感するだろう。それがたとえ悪夢も含まれていたって。