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らんかみち

童話から老話まで

さすが林葉直子さん、期待してますよ

2007年08月20日 | エンタメ
「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で連載中の漫画『しおんの王』(原作:かとりまさる/安藤慈朗)が、TVアニメ化される。

放送開始は、2007年秋頃を予定。
『しおんの王』は、幼い頃に両親を殺された主人公・安岡紫音(やすおか しおん)が、心に深い傷を負いながらも、将棋を通じ、多くの人に出会いながら成長していく姿を描いた作品。詳細は未定。

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view_c.jsp?x=C&sakuhin=4677&mag_id=000007

 将棋の漫画がアニメ化されるなんて珍しいと思うんですよね。これってたぶん「ヒカルの碁」の影響じゃないでしょうか。優れた物語だったら、野球やサッカーみたいなメジャーな趣味でなくても世の中に受け入れられて儲かるのが分かったんでしょう。
 
 実は公募にも「囲碁マンガ原作大賞」というのがあって、ヒカルの碁の二匹目のドジョウを狙ったものかと思いますが、将棋の原作募集でもあればぼくも書いてみたいと思います。
 それにしても、囲碁人口と将棋人口を比べたら、というか比べ物にならないほど囲碁人口の方が多いのに、マンガとなると将棋の方がずっと多い気がするのは不思議です。
 
 ところで「しおんの王」ですが、原作者の「かとりまさる」さんというのは、誰あろう先ごろ破産宣告をした「林葉直子」さんのペンネームなのです。
 最近はタロット占い師を名乗っているらしいですが、いやはや実に多才な人です。全部が全部彼女が書いているかどうかは知りませんが、著書も数多く出版されていますし、もちろん将棋の指導もされていて、3時間で3万円なのだそうです。
 
 元女流プロに教わる授業料が3万円って、高いのか安いのか分からないですが、ヌードを披露したというのに恥ずかしくないんでしょうか、やっぱり大物は違いますね。え! ひょっとしてヌードで将棋を指導してくれる? いや、それでもやっぱり高いのか安いのか、ぼくには分かりません。

勝て、武蔵、お父さんのために!

2007年08月05日 | エンタメ
 K1グランプリにさほど興味は無いけど、武蔵が選手生命を懸け香港で今夜戦うらしい。そんな試合なら是非とも観てみたいものだが、いかんせんぼくはテレビを持っていないのである。そんなら場末の飲み屋にでも行ってテレビ観戦したいが、あいにくと本日は定休日なのだ。
 
 どうしても観たいなら何か手はあると思うけど、そこまでするほどぼくは武蔵のファンじゃない。武蔵のお父さんが熱心に息子さんのことをPRするもんだからたまに観てみるだけのことなのだが、そのお父さんの様子がこのところどうも妙なのだ。
 
 そう、あれは確かぼくが突発性難聴で入院する前のことだから、今から三月くらい前のことだろうか。いつもの時間帯に場末の飲み屋に顔を出し、普段賑やかな人なのに、ビールを一杯飲んだだけで武蔵のPRもせずに静かに帰って行ったのには面食らった。

「なんか○○さん、ずいぶん痩せてなかった?」
 お父さんが帰るなりマスターは言ったが、ぼくは他人さまの顔なんて見てないし、だれが痩せようが太ろうがぼくの人生に影響があるわけでもないので気にしてはいない。だけど精彩を欠いて見えたのは同感だった。
 
「夏の場末の飲み屋は怒っている」と言われるほど衛生状態に危機感を覚えるぼくたち常連客なので、武蔵のお父さんもその辺を考慮して現れないなら話は分かる。だがどこの馴染みの飲み屋でも見かけないという。香港に観戦に行くために体調を整えていたのだろうか。いずれにしてももう会うことも無いだろうが、大事に至らなければと願っている。

3月のライオン、やばいって

2007年07月14日 | エンタメ
 将棋って野球やサッカーに比べたらマイナーな趣味かも知れないけど、日本の伝統芸能みたいな位置づけにあるからそれなりに知名度は高いはず。なのに、クラシック音楽と同じく、漫画になって好評を博しているものは少ないと言えるかもしれません。それはたぶん将棋指しという職業から連想する「賭け将棋人生=破滅型の男」といったイメージが世間に定着しているからではないでしょうか。
 
 そもそも将棋とは、などと言って、江戸時代に幕府の庇護の下にあった頃の家元制に見られる格式なんぞを持ち出すつもりは毛頭ありません。羽生七冠王が登場するまでは、政治家などの有名人の間には「趣味は将棋です」と大手を振って言えない雰囲気があったのも事実なんです。
 
 そんな中にあって遂に出ました。人気漫画家「羽海野チカ」さんの手による「3月のライオン」です。何もかも失った孤独な17歳の少年棋士が、過酷な運命に抗いながら愛の力で全てを取り戻していく物語らしいです。
 今までの将棋漫画といえば、生か死かの狭間で凌ぎを削る勝負師の世界を描いたものが多かったように思いますが、これは全く趣を異にしていそうで期待できます。
 
 しかし、連載第一回目を読んだ限りでは、これはマズイ! と思わざるを得ません。この作家、これを最後まで描き切れるだろうか。もしかしたら途中で投げ出すか、当初意図していた方向とは違ったストーリーに変貌しそうで気が気ではありません。
 なにも、「ハチミツとクローバー」で不動の人気を得た作者の技量を疑うのではなく、物語が実際にあった悲しい事件を連想させ、関係者が読んだら何かしらのアクションがありそうに思うんです。
 
 児童向けノンフィクション作家として不動の地位を確立したかもしれないお師匠さまのホームページを読んでいると、ノンフィクションを書くことがいかに難しいか分かります。
 ですから「3月のライオン」が実在の人物や事件とは関係のないフィクションであると断っていたとしても、ただでは済まないようなきがして、そういう意味でこの先が楽しみになりました。

物語の渦中にぼくはいる

2007年07月01日 | エンタメ
バイオリンは神尾さんが優勝 チャイコフスキー競演会(共同通信) - goo ニュース

 バイオリン製作部門に続いてバイオリン演奏部門でも日本人が優勝するなんて盆と正月が一気に来たようなおめでたさですね。
 しかも前回はピアノ演奏部門でも上原彩子さんが優勝で、彼女はYAMAHAスクールの出身だから当然ピアノコンストラクチャー部門でもYAMAHAピアノの優勝なんですよね。ゴルフでいえばマスターズや全英オープン、テニスならウィンブルドンを制覇したみたいなもんでしょうね。


森内が4連覇、永世名人に 将棋の名人戦第7局(共同通信) - goo ニュース

 一方こちらもなかなか感動的な話題です。子どもの頃から羽生さんに頭の上がらなかった森内名人が、苦節の末にとうとう羽生さんを追い越したのです。もちろん前人未到の記録を更新し続ける羽生さんを凌駕したとまでは言えませんが、永世名人には先んずることができたのですから称えられてしかるべきでしょう。

 それはそうなんですが、実は同い年の対戦相手、郷田九段が名人位についていればこれはこれで感動的な物語になったはずなんです。でも負けたら負けたでそれもまた語り草になるんですね。物語は後から作られるものなんでしょうか。

一期一会、会いたいと思う人ほど、あえなくなるのは早い?

2007年03月21日 | エンタメ
「最後の真剣師」将棋のアマ強豪、大田学さん死去(朝日新聞) - goo ニュース

 そうか、とうとう亡くなられたのか! 太田学さんといえば、ぼくが将棋を覚えた頃の、アマチュアのヒーローだった方です。通天閣で会ったことはあったのですが、将棋を指してもらったことはありません。

 実はついこの前、場末の飲み屋でぼくと将棋を指した方から、「大田学さんと、大阪なんばの『天狗道場』で駒落ちで指したよ」と、聞いたのです。彼の実力は4段で、県代表クラス。
 互いに酔っているとはいえ、彼の力は相当なものだと感じました。その彼が駒落ちで指したんだからまだまだ大田さんは健在だな、と安心したんですが、「こっちが駒を落としたんですよ、飛車と角をね」と聞いて、耳を疑いました。

 太田さんは長く賭け将棋で数多の真剣師としのぎを削り、低段のプロとなら五分に渡り合った方で、それほどの手足れが二枚落ち!? いくら歳老いたといえどもちょっと信じがたい気がしました。いや、それより何より、駒を落とされる、つまりハンディキャップをもらうことをプライドが許すでしょうか。

 かつてアマトップに君臨し、最後の真剣師とまでうたわれた人が、駒を落としてもらってまで将棋を指すなんて、相当将棋好きだったんでしょうね。
 遠慮がちだったぼくは、通天閣で会っても声もかけられなかったくらいで、500円とはいえ将棋なんて教えてもらうどころじゃなかったんですね。早いうちに天狗道場に行こうとは思っていたんですが、おそかりしでした!

漫画「神童」の映画化! これは絶対観るぞ

2007年03月19日 | エンタメ
 さそうあきらさん原作の漫画「神童」映画化されて、この4月に公開されるのだとか。うかつにも知らなかった! 原作はたった4巻で完結するのがもったいないくらいに優れた漫画です。のだめカンタービレもこの作品があったればこそって気がします。
「のだめ」は確かに面白くて買って読んでましたが、あんなにヒットするとは思いませんでしたし、この「神童」こそ映画化されるとは思いもよりませんでした。

 もう一つクラシックのピアノ漫画で「ピアノの森」というのがあって、これこそ映画化、ドラマ化されても不思議でないくらいに面白いのですが、なにぶんにも作者が病弱で、物語が完結するかどうかすら分からないような状態にあります。
「ピアノの森」はうちに来てた調律師さんに教えてもらったんですが、そのお返しに「神童を」読ませてあげたら、「スタインウェイの調律師の名前だ、調律の道具がきっちりと描かれている!」って喜んでました。

 「神童」は物語としてはとても優れていると思いますが、映画化となるとクラシックだし、主人公の五年生の女の子が理不尽な運命に翻弄されるんです。「のだめ」みたいにノー天気に笑えて、読後感もすっきりさわやかとは言いがたいかも知れませんが、そのあたりを映画はどう解決しているか楽しみです。

 映画を観る前、観た後、どちらでもかまわないですが、是非原作を読んでください。ピアニストとか演奏家っていうのはあまり漫画を読まないみたいで、ぼくが師事したピアノの先生(女)もそうでしたが、「神童」を貸してあげたら読んで泣いたそうです。ピアノに興味がなくても感動すること請合います。

映画「墨攻」を観る前に考える

2007年02月03日 | エンタメ
墨攻 - goo 映画

 待ちに待った映画「墨攻」がついに公開されたらしい。怖くて一人では映画館に入れないぼくでも、あれは一人でもぜひ観に行きたい。というのも、原作を読んで感動し、コミックを読んで楽しんだからだ。

 原作をしのぐ映画は少ないといわれるが、それは原作を読むときに発揮する我々の想像と、映画を制作する側の想像とがかけ離れている場合が多いからだろう。
 だからぼくみたいに本を読まないで映画を観たら、たいていの映画は原作を読むに値すると思う。

 コミックと原作の「墨攻」は、良く似ているけど違う物語だと、とらえる方が良いかと思う。原作の、形容詞を濫用せず、簡潔で直截な表現はハードボイルドの文体だと感じるし、実際ハードボイルドな物語なのだ。
 ところがコミックの方は、ハードボイルドに叙情性を加味して、ラブストーリー、友情、勝利といった、コミックの基本を踏襲している。

 映画「墨攻」が、原作の実存的で無情なラスト、コミック版の主張する夢と希望のラストの、どちらに重点を置いて制作されたか知らないが、どちらも面白い。三者を比較してはいけないのだろう。

「誰がパパやねん」出ていた女の子

2007年01月13日 | エンタメ
 昨日のNHKドラマ「メッセンジャー黒田の“誰がパパやねん”」をラストの10分くらい観たけど驚いたの何の。
 あの万引き少女を演じていた枡岡明ちゃんという女の子は、かつて朝ドラ「風のハルカ」に出演していたそうだが、子役というよりもう一人前の女優じゃないか! いやホントにそれくらいの演技力だった。
 
 子役といえばあの「チャングムの誓い」の女の子も似たような雰囲気の子で、健気な演技で観る者の涙を誘ったが、演技力で枡岡明ちゃんはあの子をハルカに凌駕していると思う。
 渡辺謙さんもハリウッドに進出して高い評価を受けているが、この先アメリカ映画に日本人が当たり前に出演する時代がやってくるに違いない。何とも楽しみな時代になったもんだ。

のだめカンタービレに言いたい事がある

2006年11月20日 | エンタメ
 ドラマ「のだめカンタービレ」で、準主役の千秋がタバコを吸うシーンがあった。原作に忠実なのは良いとしても、今の時代、かっこ良いやつにテレビドラマでタバコを吸わせるのはいかがなものか。

 ドラマ「エンジン」でキムタクがタバコを吸ったろうか? マールボロが確かにスポンサーになってはいたのだろうが、キムタクがタバコに点火をさせるシーンは一度たりとも映されなかったと思う。

 タバコのことだけではなく、のだめカンタービレには、なんでそこでバッハをバックに流すんだ? と思うシーンもある。もちろん原作にBGMの指定は無いからバッハ好きのぼくは楽しいけど、単に雰囲気だけで選曲しないで、前後の曲の時代背景も考えて欲しい。
 ラフマニノフからいきなりバッハにBGMを変えてシーンの転換を図るのは許せても、時代背景が変わるとぼくなんかは違和感を感じてしまう。

 それはともかく、峰龍太郎のバイオリンケースは下品だけど欲しい。ついでに言うと、東京のバイオリニストはああいったひょうたん型のバイオリンケースが好きなのだろうか、多く見かける気がす。関西では角型のケースが多いように思うけど、その辺のつまらないことを研究している人がいるなら教えてほしいと思う。

のだめカンタービレは名作か?

2006年11月13日 | エンタメ
 ドラマ「のだめカンタービレ」が終わったら、絶対にピアノ人口が増えるよなって思う。だって出演者はみんなカッコいいし、選曲がまた良いから。
 
 準主役のカッコいい男が「千秋」が「たまきこうじ」というらしいのは分かったが、主役である「のだめ」は広末何とかさんだと思ったら、どうも違うらしい。
 
 こんな体たらくだから、有名な俳優が出演していてもさっぱり誰だか分からない。シュトレーゼマン=※×☆さんなのは分かるんだけど名前が出てこない。あの役は、原作のいかがわしい感じを忠実に再現しているけど、ちょっとエグイかな。
 
 今日はラフマニノフとガーシュインの曲が多用されていて楽しかった。プロコフィエフのバレエ曲も相変わらず使われていて、断片を聴いているだけでもあのドラマの価値はあるように思うけど、驚くのは細部にまでわたって原作を忠実になぞっているということ。これは珍しいことなんじゃないだろうか。
 
 原作より映画の方が良かったと評されることは少ないと聞くけど、小栗康平さんの撮った宮本輝さんの映画なんかは、原作に忠実に撮ってなおかつ成功した少ない例だといわれている。のだめカンタービレもその少ない例の一つに数えられるようになるんじゃないだろうか。
 
 売れる漫画を描いて、なおかつ売れるドラマになっても原作が捻じ曲げられないのは、クラシック音楽の世界を世間の人が知らないのじゃなくて、原作者の綿密な取材による賜物じゃないかと思う。恐るべし二ノ宮知子!