北海道美術ネット別館

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■15→16展 (2015年12月22日~16年1月10日、札幌) 12月26日その1

2015年12月28日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 連休となった12月26、27日の最初に見た展覧会。
 26日午前は会社で仕事をしていたので、午後からの出陣となった。

 さいとうギャラリーは札幌の中心部の一等地にある貸しギャラリーだが、年2回、夏と年末年始に、企画展の小品展を開いている。今回は、道内の76人が出品している。
 こういう展覧会なのであまり全体的な傾向を言っても仕方ないのだが、油彩や工芸の作家やイラストレーターが多く、立体作家も壁掛け型の作品を出品している。写真は、この展覧会では一度も見たことがない。今年は、モノトーンの作品が例年になく多いという印象を受けた。
 価格は6千円から24万円の間だった。

 この展覧会では、泉修次さんの「おみくじ型作品」に参加するのが毎度の楽しみで、今回は、猫の絵があしらわれたポチ袋のような形状のお札がたくさん作品に並んでついていて、そのうちの一つを引っ張るというスタイルであった。なので、昨年のように、誤って3枚をひいてしまうおそれはない。
 ちなみに「中吉」であった。

 一番心打たれたのは、林正尭さん「左手の為のドローイング」。
 半世紀にわたって北見・オホーツク地方の現代美術をリードしてきた林さんだが、闘病生活中だ。ドローイングというよりは、ボール紙の支持体の上に布などをコラージュして白や赤の絵の具をちらした作品。たどたどしいサインが、利き手でないほうの手で作られたことを物語る。画家魂を感じさせた。

 このほか、気になった作品。

 折登朱実「HAPPY」
 ガラス絵のようなふしぎな奥行き感のある、一種の風景画。

 北山寛一「黎明」
 室内で、卓上に置かれたクリスマスツリーを囲む家族。母は赤子を抱き、ふたりの子と白い猫が取り囲む。左側の窓の外には夕焼けが見える。いかにも幸福そうな家族の光景だが、父親の姿は見えない。

 金子直人「金魚」
 かつては個展やグループ展などでよく作品を見たが、近年はさいとうギャラリーの企画展でしか見る機会がない作家もけっこういて、金工の金子さんや、画家の野崎嘉男さんなどはそのひとり。金属の魚だから「金魚」というしゃれである。

 佐藤仁敬「橋をめぐる物語より~サンタンジェロ橋~」
 「怖い絵」で知られる作家の中野京子さんが北海道新聞に毎月連載している「橋をめぐる物語」の挿絵を担当しているのが、全道展会員の佐藤さんで、この連載は東京新聞にも転載されている。そういう意味では貴重な作品。

 高橋英生「吹雪のあと」
 白樺の林を平明に描いた。水彩とは思えぬ堅牢な画面は、さすがベテラン。

 手塚昌広「ninana」
 ガーゼの塊を画面に貼り付けて厚塗りを演出した抽象画。現代の絵画の存立の困難さを引き受けながらそれでも制作する若手の苦闘がうかがえる。

 羽山雅愉「除夜の鐘」
 モティーフは札幌市時計台。もちろん、時計台はお寺ではないので、除夜の鐘を鳴らさない。
 実物の時計台と異なる朱の屋根といい、手前に広がる雪原といい、これは想像の世界なのだ。

 前川アキ「New Scenery」
 寒色が特徴だった前川さんの絵画に変化。画面上3分の1は赤が支配的で、下3分の2は白を背景に赤、紫、緑の線や斑点が踊る自由闊達な画面になっている。

 三浦恭三「旋回」
 ポップで明快な抽象画を描く三浦さんも、通常とは異なる画面。オレンジや薄緑、白が、太い曲線や円をかたちづくっている。

 他の出品者は次のとおり。
 阿地信美智 阿部典英 阿部美智子 荒井善則 石田真理子
 今荘義男 江川博 甲斐野市子 柿崎煕 香取正人
 亀井由利 河合春香 川本ヤスヒロ 木村富秋 工藤悦子
 香西富士夫 小林大 齋藤周 斉藤嗣火 坂みち代
 佐久間敏夫 櫻井マチ子 佐々木けいし 佐藤潤子 佐藤麗子
 澁谷美求 下沢敏也 白鳥洋一 末永正子 高橋智子
 武石英孝 武田志麻 田村佳津子 冨田知子 内藤克人
 南雲久美子 鳴海伸一 新出リエ子 西田陽二 野口秀子
 波田浩司 早川尚 林亨 林田理栄子 菱野史彦
 本間弘子 三戸麻紀子 宮路明人 村本千洲子 毛内康二
 毛内やすはる 山内敦子 山本洋子 吉川勝久 吉田茂
 吉田敏子 渡辺貞之 度会純价 


12月22日(火)~27日(日)/1月2日(土)~10日(日)午前10:30~午後6:30(最終日~5時)、月曜休み
さいとうギャラリー(南1西3 ラ・ガレリア5階)

14→15展
13→14展

08→09展
企画展「07→08」
06→07展
05→06展
03→04展
02→03展
2001→02展
00-01展






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