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■青木陵子+伊藤存「となりの入口」■曽我英子「となりの食事」~白老文化芸術共創(2022年8月27日~10月10日) 10月10日は7カ所 その5

2022年10月19日 18時31分17秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 つづいて「喫茶 休養林 隣」。
 「休養林 隣」って、ずいぶん風変わりな店名だなと思っていたら、「休養林」という名の喫茶店の隣という意味でした。
 白老文化芸術共創の会場名は、前項の「旧しらおい発掘堂」といい、よそから来た人には難解なものがありました。まあ、どうしようもないとは思うのですが。

 ちなみに「休養林」のマスターは今回のフライヤーの絵を描いた人。今回の「隣」も、以前はマスターがここで木工などのものづくりをしていた場所なのだそうです(ただし、休養林自体は会場ではありません)。
 
 このトンボも、マスターの作とのこと。

 会場にいた係の方によると、太古の動物や虫が巨大だったことの反映だといいます。

 この会場にはほかに、長いもりもありました(長すぎて、最初は目に入らなかった)。
 アイヌ民族が使うものだと思うのですが、公式サイト( https://www.shi-ra-oi.jp/arts2022/shiraoi/ )の説明によると、マスターが作ったもののようです。

 アイヌ文化と和人の文化はまったく別のモノであり、「アイヌ民族なんていない」みたいな雑な差別発言はきちんと批判していかなくてはならないのですが、それとは別の文脈で、二つの文化が接したり、融合したりする場所というのもあると思います。
 たとえば、オホーツクの漁師たちは、アザラシのことを「トッカリ」と言うんですよね。
 アイヌ語を自然に使っているのです。

 会場には白老の地図もあり、これは青木陵子+伊藤存コンビが滞在して自分たちなりにこしらえた「白老ワールド」の像なんだなと感じました。


 
 急な階段をのぼって2階へ行くと、しらおい創造空間「蔵」でも映像作品「秋鮭」が上映されていた曽我英子「となりの食事」が上映されていました。
 国際芸術祭などではいまや標準的な発表スタイルになった3面マルチスクリーンです(筆者がこれをはじめて見たのは、帯広の「デメーテル」でのシネノマド作品でした。2001年。なつかしい)。

 ここで取材され映像に収録されているのは、日高管内様似町などでのコンブ漁や昆布料理といったものです。
 ドキュメンタリーを見ているような感じがする、テンポの良い編集でした。


2022年8月27日(土)~10月10日(月)午前10時~午後4時、月曜休み(祝日を除く)



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