多年草展は「北海道女子短期大学(現・北翔大)工芸美術科日本画コースOG会」の主宰で、伴百合野さんが長く指導していた道内私大では唯一の日本画コースだったが、現在は無くなっている。
今回は、1期生から33期生までの19人が出品。
小品から大作までさまざま。道展会員などとして活躍している人もいればマイペースで制作している人もいる。
右は廣田麗子さん「ふたり」。
いまふうの若い女性像に見えるが、ドレスの模様は青海波で、さりげなく日本の伝統的な意匠がとりいれられている。
そのとなりは、間野桂子さんの「ツユ草の朝」。
小さく描かれた草々の上に三日月が昇り、はかなげな空気感を漂わせる。
新潟県魚沼市在住の牛木志津子さん「雪舞」。
写実的な冬の風景を描いた下半分と、水色のユリをあしらいながらも装飾性が前面に出た上半分のドッキングが効果的。
冬の夕空のレモンイエローと灰色の共演も、印象的だ。
伴さんによれば、下半分の葉を落とした木々などの風景は新潟県でふだん見ている景色とのこと。次回の多年草展では、彼女の個展を同時開催する予定という。
ところで、今年の同時開催の個展は、伊藤洋子さん。
道展を退き、無所属で制作・発表を続けている。
欧洲の風景を写実的に、しかし木々は刷毛で描写するなど、粗密にメリハリをつけた風景画が多い。題材はオーストリアなどの街角が中心だ。
そんな中でユニークなのが「星月庵」。和菓子屋の店先を描いているが、店番に立っているのが、擬人化されたネコなのだ(伊藤さんの飼っているネコらしい)。
串だんごやスイートポテト、大福などが並んでいるが、値段がすべてユーロ表記になっているのもおもしろい。
出品作は次の通り。
路地裏の公園
子供の家
サマト川の秋
アルプス庭園の秋
ベルヴェデーレ宮殿の庭からの眺望
ドナウ夕景
べいなす
対話
これ、にんじん
秋のミュージアム
エーデクーデニンヘンにて
ヘントの傘屋
夜のショーウィンド
降誕祭の贈り物
星月庵
2013年8月22日(木)~27日(火)午前10時~午後7時(最終日~午後5時)
道新ぎゃらりー (札幌市中央区大通西3 北海道新聞社北一条館 道新プラザ内)
■第25回記念多年草展
■2002年の多年草展(画像なし)
■2008日本画の「現在」展