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公共施設などの愛称は、なぜ定着するものと忘れられるものがあるのか?

2012年07月26日 21時38分03秒 | つれづれ日録
 話はいささか旧聞に属するが、2012年6月下旬、札幌駅と大通駅を駅前通の地下で結ぶ地下歩行空間の愛称が、公募により「チ・カ・ホ」に決まったという(毎日新聞の記事)。

 公共施設などにこの手の愛称を付けるということは、広く行われるようになってきている。
 そして、この手のニュースが流れるたびに、ほとんど用いられることのないままになっている愛称について、ひとしきり話題になることも恒例になっている。

 私見であるが
「定着した愛称」

「忘れられる愛称」
とを分ける法則があるのではないか。


 定着した愛称には、たとえば次のようなものがある。

・キタラ(札幌コンサートホール)
・きたえーる(道立総合体育センター)
・ちえりあ(札幌市生涯学習センター)
・かでる2・7(道立道民活動センター)
・つどーむ(札幌市スポーツ交流施設 コミュニテイドーム)


 一方、あまり知られていない愛称としては、次のものがある。

・HIROBA(札幌ドーム)
・SORA(札幌コンベンションセンター)


 下の二つに共通しているのは

「一般名詞と発音が同じ」

ということである。

 これは実は、日常会話ではたいへんに不便なことなのだ。

 つまり、
「ヒロバに行く」
と耳にしても、行き先が、一般的な広場なのか、それとも札幌ドームなのか、わからなければ困るからだ。

 地下鉄東西線の東札幌駅の近くで、通行人に
「ソラはどちらでしょう」
と尋ねても
「はあ、頭の上にありますよ」
といわれるかもしれない。

 反対に、定着した愛称はいずれも、それ自体では、他の意味を持たない。
(「キタラ」は古楽器の名称でもあるが、普通の日常会話ではほとんど出てこない)
 したがって、混同のおそれがないのだ。


 なお、ここでは、単語をつづめただけの略称(キンビ、芸森など)や、アルファベットの頭文字からなる略称についての考察は省いた。


□札幌駅前通地下広場 http://www.sapporo-chikamichi.jp/


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おけら)
2012-07-28 00:00:11
「定着した愛称」って、結局ダジャレ。
北海道の行政の言語センスって、貧しい感じもしますね。
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おけらさん、こんばんは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2012-07-28 21:59:59
う~ん、「キタラ」「かでる」はダジャレじゃないので、そのへんはどうなんでしょうか。

無味乾燥な略語よりはいいという気もしなくもないですし。

筆者は網走のエコーセンターって、わりとスキです。
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こどもっくるもある (個展DEスカイ)
2012-07-31 00:42:16
こどもっくるに勤めていたので、普段は愛称で呼び、書類は正式名称で書くという経験をしました。しかし、高校生などが実習で来るとこどもっくるという愛称が非常にうまく作用するのですね。それ以後も愛称で呼んでくれます。

チカホの普及度は悲観的です。CHKのほうがぴんと来ますチェンネルケーという波及も出来ますしシャネルカーなどとも発音できます。

>北海道の行政の言語センスって、貧しい感じもしますね。
はい。その通りだと思います。まず新しい名称は英語で考えろって言っていますが。役所に染まるとだめだね。

でも、札幌時計台という立派な愛称もあります。(演武場)
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2012-07-31 09:07:36
おお、たしかに「札幌市時計台」は最強の愛称かもしれませんね。

まあ、定着した愛称、しない愛称があるのは、やむを得ないかなと思います。
英語もいいけど、高齢者など、とっつきづらいだろうし。
意味不明の英語を考えるぐらいだったら、網走のエコーセンターのようなのは、すっきりしていいなあと思うんですよね。
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