2012年1月号
今月号には、『ドリフターズ』小冊子が付いています。
コミックス2巻のつづきから、先月号のお話まで収録。
けれども本編が・・・・・・
『裸者と裸者』は、人質解放の任務を引き継いだ孤児中隊の戦い。
しかし敵の殲滅区域を突破せねばならず、苦戦を強いられ・・・という展開でした。
ちょっと都合よすぎな内容かも?とも思いますが、敵も同じ人間なのだと知れる話なのかも。
『リュウマのガゴウ』 “今回のリュウマ”は、王室調査団とともに、1度「救われた街」を探査。
そこで出逢う災厄の元凶?とされる「ジン」。 これは前回のラストに登場していた人物・・・?
救われない命と、折れる意志・・・ これは興味深い展開。 人の方に原因があるようだし。
『それでも町は廻っている』は、歩鳥の推理がさえる日常ミステリ・・・といっても些細なこと。
行方不明になったコブ平さんをさがすお話ですが、注目すべきは「ケーキよりまんじゅう」と、
タッツンのニキビと、タッツンが歩鳥の「凄さ」に気付いたこと。 最後にオチあったけど(^^;
『アリョーシャ!』は、コミックス2巻が発売中! そんな今回、ケイティについて疑念を抱く
龍之介くんが、彼女の正体に迫ります。 というか、虎清兄さんが凄い人なんだけど(^◇^;)
ほか、ケイティが理屈屋になった理由や、平和の心地よさを感じるアリョーシャがよかった。
『稲田小鬼物語』は、なんと『タイニープリニウス』ともども、次回で終わり・・・だと・・・?
前回が急展開だったとはいえ、どーゆーことなの?? ついに心臓を取り戻すコオニ。
波乱の幕開けと思いきや、イナダさんにも秘密があってスゴイ展開に。 めっさ面白いッス!
『並木橋通りアオバ自転車店』は、背の低い男子と、背の高い女子の自転車をはさむ交流。
福引で当てた自転車が、背が低いせいで乗れない男子くん。 それが似合うのは背の高い
女子さんだと勧めますが・・・ コンプレックスを優しく包むイイ話、と思いきや最後に大笑!
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●サムライリーガーズ (竹山祐右 先生)
巻頭カラーで描かれるのは急展開!? 「開戦の烽火」
“軍神アレス”も一刀両断! 絶好調の王漸一路太。 盛り上がるベントと客席。
ピッチングも同様に、あと1人を打ちとれば単独首位という状況でしたが・・・
“螺旋皇龍球”も冴えわたる・・・と思いきや、そこへナゾの黒い影が現れた!
なんと、試合途中に乱入してきたのは、アランズ!
これにはMr.アンパイアもカンカンだ~。 鉄拳制裁が出るのか~!?
しかしアンパイア、アランズから提示された何かしらの書類に目を通すや驚きの宣言を・・・
という展開でしたが、ギリシャ危機までからめて、とんでもない話になってきました。
球界再編、とまではいかないものの、新設チームが登場し、その渦中にいるのがアランズ。
しかも、この新チーム。 とんでもない人間が加わっていて、デモンストレーションとばかりに
一路太に勝負を挑んでくるのですが、これが・・・・・・何と言ったらよいのやら(^∀^;)
いや、野球といえども、その荒唐無稽ともいえる“技”の数々には圧倒されっぱなしで、
それが本作品の面白味でもあるわけですが、今回のこれは・・・うん、スゴカッタ。
ようやく復帰できた一路太なのに、またもや強大な敵あらわる!
この立ちはだかる壁を前にして、一路太はふたたび挑まねばならない・・・のか~。
ただアランズも、たぶん本意ではなかっただろうことを、冒頭されてましたので、
今回の動きの裏には何か大きなものが絡んでいるように思われるのですが、はたして?
そんなこんなで、どうなることか・・・ 今後も楽しみです!
●ヘン集女王 (高内優向 先生)
復活、おめでとうございます~!
高内先生が大けがをなされて入院されていたようで、お休みでしたけど無事再開。
しかも、目次コメントによりますと、今回はノートPCで描かれたもののようで、
おそらくは入院時に・・・ということでしょうか? 川島さんばりのマンガ魂を感じます(^∇^;
そんな今回、「魔界編集者、現わる!!」ってありますけど、いつもの川島さんですね、ええ(ぇ
恐山先生をカンヅメにするため四苦八苦。
カンヅメというのは有名ですけど、「編集者が漫画家の作業進行を見張る最終強硬策・・・」
って文字にすると凄い内容だな、カンヅメ(^^;
凹道先生に、暗騎さんや鬼瓦さんまで巻き込んでの「シュラバ」が面白いお話でしたが・・・
そんな中で起きた停電。
夜遅い事もあり、霊感体質な凹道先生はなにやら寒気におそわれて・・・
ということで、久々登場の“あの人”の存在で、面白さUP!
萬村先生が彼女に会って、普通に会話しているのが楽しい(´▽`;)
でも再登場ということは、なにかワケありで、今後も話に絡んでくるのでしょうかね?
萬村先生と彼女のコミュニケーションになごみつつ、怖かったり(?)、楽しかったり・・・
再開の嬉しさとともに、今後も楽しみです!
●JUNKNIGHT (宇田整司 先生)
第1回YKアワーズ新人賞入賞作!
ナゾの怪物相手に、太刀打ちできない警官たち。
次々と人が殺害される中、警官の1人に金を払えば助けてやる、ともちかける少年が・・・
しかしその少年。 外見が“化物”のようであり、その力も人外のごときもの。
はたして何者なのか? なぜ金銭を要求するのか?
人々を襲った怪物は、吸血鬼に食われた人間のなれの果て・・・
銀でなければダメージを与えられず、脳みそが腐るまで人を襲い続けるという存在。
その怪物をあっという間に倒してしまう少年・ジャンクもまた、吸血鬼ゆかりの者。
そんな彼が“金を目当て”に戦い続ける物語・・・ といった感じでしょうか。
ジャンクには協力者というか、パートナー的存在がいて、
それが「ドクター」と呼ばれる少女・・・もとい、じいさんだったりするわけですが、
外見少女で中身ジジイとか、誰が得するんだ、そんなキャラクター・・・( ̄Д ̄;)
まあジャンクがなぜ金目当てなのか、というのも彼女(?)が関係しているわけですが、
切実な願いがその裏にはあるわけです。
話としては、ヒロイン的存在の女性にほれているジャンクが、敵に狙われてんやわんや
というものですが、そこには「自分が人間ではないこと」を気にするジャンクの心情や、
なにより外見にこだわることが価値じゃないといったテーマがあるように感じます。
ややグロテスクな描写もありますが、中身は王道展開ともいえる内容。
コメディっぽさも含めて楽しい作品でありました。
「人は見た目が9割」なんて言葉に惑わされない芯のある物語。
これはぜひともつづきなど、期待したいものであります!
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
マレンゴの戦い、決着!!
ドゼーの到着から形勢逆転へ傾きつつあった戦況が、ケレルマンの突撃にて決定的に!
勝利を確信していたオーストリア軍の将兵は恐慌におちいり潰走。
まだ優勢だと勘違いしているオットの笑顔が滑稽で面白かった。 メラス、一生の不覚!
そして状況が落ち着いた後、ドゼーを探すナポレオンでしたが・・・
「この勝利は彼のおかげ」 しかし、その彼はもういない。
前々回、ドゼーの死が描かれてからのことなので、ずいぶん時間が過ぎたのだと
感じさせられる見事な演出効果になっていますね。
ドゼーの死は大きな喪失のはず・・・ なのに涙を見せないナポレオン。
「情に流されると判断を誤る」 ゆえに泣かない。
その背中に声をかけるランヌの言葉は、ドゼーへの嫉妬と己の決意を垣間見せてくれます。
ここのやりとり、よかったですね~。
1人部屋に帰ったナポレオンの前に“現れる”ドゼー。
もちろんそれは空想。 しかし、ナポレオンの中の真実でもある。
ここで交わされる対話は、ナポレオンの反省ではありましたが、
もう少し大きな意味があったように思います。
空想のドゼーは、自らを「空想」と断じつつ、だからこそ同時に自分は「君自身です」と
ナポレオンに告げています。 これはドゼーという男が、ナポレオンの影=白いナポレオン
として描かれていたことの証左なのだと感じました。
本作品におけるドゼーは、ナポレオンと同等の才を持ちながらも、野心は持たない存在。
つまりナポレオンに等しいレベルで会話できながら、敵とはならない人物だったわけです。
それは、ナポレオンにとって最大の友となることを意味しています。
そしてまた、マレンゴでのドゼーの死は、一歩間違えていれば
ナポレオンの死であったかもしれないとも暗喩していることを感じさせます。
後に涙を流したナポレオンは間違いなく、ドゼーの死を悲しんでいますよね。
本当の所は彼自身にしかわかりませんが、建前と本音の使い分けをしなければならない
男の心の涙を見た気がします。
後半のマレンゴの再現も、ドゼーへの手向けのようなものでしょうし。
「死体のない戦場はいい」からの3コマのセリフは、かなりよかったです。
そんな最愛の友人・ドゼーを失ったナポレオンは、これからどのような道を歩むのか?
ただ覇道を突き進むのみ・・・ ということで、今後も楽しみです!