ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「山笑う」、季ですのに。

2018-03-25 06:11:19 | 日記
 『故郷や どちらを見ても 山笑ふ』 

正岡子規.の、この句が大好きです。
春の季語 「山笑う」
まだ、重たい雪を被って連なっている故郷の山々を眺めていますと、
この句が ふっと浮かんでくるのです。

小中学校の卒業式も終わり、窓を開けますと、近所の子どもの達の声が飛び込んできます。
意味はよく聞き取れません。
でも かん高い子どもたちの声は、色に譬えれば若緑、春の彩り。
そんな光景に、遠い山並みは季語通り『笑って』います。

新聞(地方紙)を広げました。
春の選抜高校野球大会に一勝した地元高校への喜びのニュースなどが載っていました。
そして片隅に、こんなニュースも。
  【イノシシ12頭 基準値超える】
            放射性物質検査
   県は二十三日、野生鳥獣の肉に含まれる放射性物質の検査を発表した。
   一月から二月にかけて捕獲したイノシシ十三頭のうち十二頭から食品衛生法の基準値
   (一キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
   イノシシの一キロ当たりの放射性セシウムは88ベクレルから1000ベクレルだった。
                         (福島民報 2018・3・24)
との記事内容でした。
検体となったイノシシは福島県全体で捕獲されたものですが、原発事故に近い場所で
捕獲された検体からの数値が高かった、とも記されていました。

私が暮らしている福島県の農産物は、米を始め、野菜・食肉・乳製品・加工食品等の
放射性物質検査を行っています。
店頭に出荷されている食品は安全と言われていますので、私は不安を覚えることなく
食しています。

でも、こうした発表を目にしますと、故郷の山々は、本当に笑って・微笑んでくれて
居るものかと、考え込んでしまうのです。

私ども人間は安全なものを食していたとしても、野生の生物たちは???
疑問符が付いてしまうのです。
生態系には、どんな影響があるものだろうかと。

  《九電は23日午前11時、玄海3号機で核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く
   作業を始め、原子炉を起動した。
   同日夜、核分裂が連鎖的に起こる「臨界」に達し、25日に発電と送電を開始する予定。
   営業運転への移行は4月下旬を見込む。》
                        (3/23(金) 11:08配信  時事通信社)
と、報じられました。

政府が見直しを進めているエネルギー基本計画の素案では、
  《原子力発電について、2030年時点でも「重要電源」と位置づけ、電力大手などが
   将来も原発事業を続けやすいように、政府が制度面などで「環境整備」を進めることも
   明記する方向だ。
   太陽光発電などの再生可能エネルギーは「主力電源」と位置づける。》
                         (3/24(土) 7:26配信  読売新聞)

原発稼働によって生じる高レベル放射性廃棄物。
保管先の目途も立たないままで、こうした国の「原子力政策」は、これでいいのでしょうか。

『山笑う』の季節ですのに、不安を覚えている〈ばーば〉です。
コメント
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