ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『被害者個別の悲惨さを思いやる想像力』の欠如。

2018-03-01 06:50:48 | 日記
  《暴言やメディアで「失言」と称される発言は、本人が「誤解を招いたが本意はこうだった」と
   弁明し、発言を取り消すと、政治的に一件落着となる。
   しかし、発言者の政治思想や それまでの言動を調べると、批判された発言は「失言」や
   「誤解」という次元のものではなく、まさに「本音」だと分かる。》

上記の論説は、柳田邦男氏が毎日新聞『深呼吸』欄(2018.2.24)から引かせて
いただきました。
また 同記事で、
  《人は、心の中に思ってもいないことをしゃべることはない。》
とも述べられています。

最近に限ったことではありませんが、国会中継での政府答弁を聞いていますと、
全くもって その通りだと思わざるを得ません。
柳田邦男氏は、
  《政治家・官僚が人間のいのちに対する冷たい「三人称の視点」を脱却し、
   「一人称・二人称のいのち」を理解して寄り添う姿勢を普遍化する以外に道はない。》
と、いう言葉で この論説を締めくくっていますが、まったく同感です。

安倍首相が、今国会最重要法案としている『裁量労働制』に関する国会での答弁でも、
柳田邦男氏が述べている通りではないでしょうか。
《犠牲者の家族や被害者個別の悲惨さを思いやる想像力はまるで欠落している。》
と。

裁量労働制などに関して、野党側が さらなる審議が必要だとしていますのに、
昨日、予算委員会は、賛成多数で可決。
衆院本会議でも可決し、参院に送られました。
残念、というより憤りを覚えています。
『数』の横暴以外の何ものでもありません。

その後、首相は、
首相官邸で加藤厚労相と会談し、「働き方改革関連法案」から裁量労働制に関する部分を
削除するよう指示。
  《裁量労働制に関わるデータについて、国民の皆様が疑念を抱く結果になっている。
   裁量労働制は全面削除するよう指示した》
と、記者団に表明したようです。
今後、経済界の反発は濃厚。
裁量労働制の対象拡大に関わる部分は削除したとはいえ、この法案の成り行きを 
しっかり見つめて行かなければいけないと思います。
                      〈ゴマメのばーば〉
コメント (2)
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