ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「金」よりも輝くメダルを。

2018-03-21 06:18:35 | 日記
ポト ポト ポト
ポト ポト ポツーン

懐かしい響きの音で目覚めました。
子守歌の様な やさしい音です。
5時半。
夜明けが早くなってきたので、外は うっすらと明るくなっています。

ポト ポト ポト

そろそろ、目覚ましのアラームが鳴る時刻です。
手足をゆっくり伸ばしてから今日のスケジュールを頭の中で確認。
まずは、曜日の確認から。
スケジュールといっても、日曜日、教会の礼拝に出かける以外は、家事・雑用の類が殆どですが、
ひと月に二回ほど、好きなハナシの受講に出かけます。

ポト ポト ポツーン

やさしい、そしてゆったりしたリズミカルな響きが続いています。
多分 外は小雨。
柿の木の小枝から、雨だれが物置の屋根に落ちる音なのです。

起き出して、パソコンを立ち上げ、ブログに昨夜書いておいた記事をアップ。
これが、普段の私の一日の始まりです。
こうした朝の訪れを、迎えられるということは、それだけでも ありがたいことの筈なのに、
あれこれと不満の多い日を過ごしがちな私です。

   『点滴ポール 生き抜くという旗印』
      岩崎航 (著)  齋藤陽道 (写真)  ナナロク社 刊      
アマゾンで取り寄せました。
ラッピングを むしり取るようにして、まずは ざっと目を通し、夜ゆっくり読みました。

著者は3歳で筋ジストロフィーを発症、常に人工呼吸器を使って生きています。
岩崎 航氏の暮らし様は容易でないことが多いと思われますが、詩を読んでみますと、
私の精神の方が傷んでいるのでは・・・・・・と、考えさせられてしまいました。

   嗚呼 僕も
   生きているんだ
   青空の
   真っただ中に
   融け込んでいる

冒頭、この詩に出会います。
人工呼吸器を付けたまま、白い雲が柔らかに浮かぶ青空を眺める著者の横顔が
写されています。
〈融け込んでいる〉のでしょう そのままに 空に 宇宙に。

    『生き抜くという旗印』
                             岩崎 航
    かつて僕は、自分で自分の命を絶とうと思ったことがある。
    十七歳のときだった。
    前途には何の希望もないように思えた。
    家人のいない、ある午後、目の前にナイフがあった。
    これですべてが楽になるのかなあと、ふと考えた。涙が止めどなく溢れた。

    けれども、僕は「生きる」ことにした。
    それは、嵐にこぎ出す、航海の始まりのようでもあった。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    あれからさらに二十年の歳月が経ち、僕は今、三十七歳になった。
    病状は、一層進んだ。
    あまりにも多くのことを失った。
    思うことはたくさんある。
    僕は立って歩きたい。
    風邪を切って走りたい。
    箸で、自分で口からご飯を食べたい。
    呼吸器なしで、思いきり心地よく息を吸いたい。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    でも、「今」を人間らしく生きている自分が好きだ。
    絶望の中で見いだした希望、苦悶の先につかみ取った「今」が自分にとって
    一番の時だ。そう心から思えていることは、幸福だと感じている。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    生き抜くという旗印は、一人一人が持っている。
    僕は、僕のこの旗をなびかせていく。

パラリンピックでは、多くのアスリートたちが金 銀 銅のメダルを獲得しました。
私は、岩崎 航さんに、メダルを贈りたく存じます。
『いのち』のメダルを。
「金」よりも輝くメダルを。
『生き抜くという旗印を』掲げて、「今」を歩む あなたに。
どうか、明日も あさっても、掲げ続けて下さい。
                              〈ゴマメのばーば〉
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする