散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

維新の会と共に退潮するみんなの党~「蜘蛛の糸」を切った渡辺嘉美

2013年06月12日 | 国内政治
橋下発言を話題にすることは、既に下火になっている。しかし、筆者はこの現象にまつわる反応に関し、色々驚きがあった。まだ、論じたいことが多々ある。順次、焙り出して行こう。先ず、一番驚いたのはみんなの党首・渡辺喜美の反応だ。

報道によれば、5/17にみんなの党・渡辺代表は、日本維新の会・橋下共同代表による慰安婦問題発言を問題視し、夏の参院選での選挙協力の前提となる両党の共通公約作りを凍結した。更に、5/21、「信頼関係が失われた」として、維新の会との選挙協力解消を正式決定した。渡辺氏は「基本的な価値観の相違がある、関係の全面的見直しを行う」と述べた。価値観の相違と言う様な発言だろうか、橋下発言は?

選挙協力問題に関しては、以前から党内で対立があり、渡辺氏は消極派、江田幹事長は積極派と両雄が相並び立たずの状況にあった。更に、江田氏のお膝元の神奈川県候補者として、渡辺氏が松沢元神奈川県知事に決め、県下の地方議員にも亀裂が走った。実際、川崎市では、議員一名が不満として会派を離脱した。

電光石火の如く、維新の会との選挙協力解消を決めたのは、渡辺氏が党内状況を含めて自らの立場の挽回を図ったものであろう。みんなの党は維新の会の風下に立っているだけでなく、代表としての存在感も渡辺は橋下に遙かに及ばないからだ。

先の衆院選における第三極の躍進の結果から、筆者は「維新とみんな」の合体、「橋下代表―江田幹事長」体制を推進することが、政治改革を進めるトリガーになると考えている。「維新・みんな連合=全国政党化」へ(20130131)
http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_1948/e/3691b169aebd5ef66ee34a8173f22326

しかし、その勝手な“構想”も今や、風前の灯火になった感がある。では、渡辺氏の決断がみんなの党に有効に働いたのか、と言えば、そうでもない。参院選へ向けた報道機関のいわゆる世論調査において、維新の会の退潮と共に、みんなの党の支持率も減少しているからだ。今回の件でみんなの党も悪影響を受けているのか。

読売新聞の調査では、自民44%、民主7%、公明、維新共に5%、みんな2%であった。維新は8%からの減少である。一方、みんなも4%からの減少だ。自民挽回の大波に第三極は飲まれた気配であるが、その状態でこそ、協力関係は必須であったはずだ。「蜘蛛の糸」ではないが、自らだけが助かろうとして、狭量の本心を出してしまったのが、お釈迦様の国民はよく見ていたのだ。