Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

箱根駅伝のユニデザインと歴史の関連性

2024-01-13 | 走る若人が好き
箱根駅伝に出場する大学のユニフォーム
デザインについて、時々以下のような
ことが言われます。
  • ランニングシャツの胸元に大学名の
    イニシャルが入っている大学は
    初期から出場してきた伝統ある古豪。
  • 大学のロゴや校章が入っているのは
    そこそこ歴史のある大学。
  • 大学名が日本語で入っているのは
    割と最近参入してきた新興勢力。
本当なのか気になって調べました。

イニシャルは例えば第1回から出場の
早稲田(W)や明治(M)ですね。
ただ、調べようと思ってすぐ、
「駒澤は大学名だけど歴史的には
ロゴ系と同じくらいだよな…?」と
例外が結構ありそうな感じがしました。
それとロゴの付いている大学として
東洋、順天堂、東海…と思い浮かべた
ところで気づいたのは、これらの大学が
関東インカレ1部校であること。
「むしろ関東インカレの1部2部の方が
関連が強いかもしれない」という
仮説(?)を立てて、今年の
出場23校について調査開始。

大学ユニフォーム初出場回関カレ
早稲田大学イニシャル11部
明治大学イニシャル11部
法政大学イニシャル21部
中央大学イニシャル21部
東京農業大学大学名22部
日本大学イニシャル31部
東洋大学ロゴ141部
立教大学イニシャル152部
神奈川大学大学名172部
青山学院大学大学名222部
日本体育大学大学名251部
国士舘大学大学名331部
順天堂大学ロゴ341部
駒澤大学大学名432部
大東文化大学ロゴ?イニシャル?441部
東海大学ロゴ491部
山梨学院大学大学名631部
中央学院大学大学名702部
帝京大学大学名742部
國學院大學大学名772部
城西大学ロゴ802部→1部
創価大学大学名912部
駿河台大学大学名982部

大東はどっちに分類されるんだろう。
城西は今年度関東インカレ2部
だったけど来年度1部に昇格。

初出場回は自力で調べたので間違ってたら
ごめんなさい。ちなみに青学の初出場は
第22回ですが、その後ブランクがあり
次は第41~51回、さらに長期間出場
できず原監督就任後第85回に復活です。
なので実質的に古豪かというと微妙。
神奈川や日体大は前身校を含みます
(神奈川をあまり古豪って呼ばんが)。
日体大の上の二重線は戦前戦後の境で、
戦後からしばらくは国士舘・順天堂・
東海と体育系学部のある大学も参戦
(大東の学部設置は平成以降)。
テレビ中継開始(第55回からテレ東、
第63回から日テレ)以降となる
山梨学院の上に二重線を引き、
ここから下が長い歴史の中で比較的
新興勢力なのかなと判断しました。
山梨学院の出場はケニア人留学生の
参加(第65回から)という強い影響を
もたらしていて、ここから時代が
変わっているとも言えますし。

補足情報として、今回出場できません
でしたが拓殖(初出場第14回)、
専修(同第15回)、それから第1回
出場の慶応もイニシャルです。
同じく前身校が第1回出場の筑波は
校章で、慶応と筑波は関東インカレ
1部校です。イニシャルのGを使う
学習院は過去未出場ですが、
陸上部自体の歴史は古そうです。
第43回初出場の亜細亜は今もロゴ。
第70回初出場の関東学院は
ロゴまたはイニシャルでしょうか。

関東インカレで1部になるには
長距離以外も得点しないといけない
ので、陸上部の伝統が長い大学や
体育系学部を持つ大学が集まります。
長距離以外を強化していない大学は
ほとんど2部になります(1部にいる
山梨学院は留学生が複数種目で得点
荒稼ぎするのでちょっと例外)。
1部にいる体育系学部を持つ大学の
陸上部もそこそこ歴史が長いことも
あって、1部2部は歴史と多少相関が
あるけど、例えば駒澤は大東や東海
より早く箱根に出場したものの
長距離だけなので2部です。

ユニフォームのデザインが変わる
こともあります。青学は復活当時は
盾のロゴ入りでしたがその後
今の大学名入りに変わりました。
昭和の写真を見ると日体大が校章
使っている時代もあったみたい。
東洋は古くはイニシャルや
大学名の時期もあったようです。
第80回の写真を見たら、帝京と
国士舘がロゴで城西が大学名。
ロゴや校章から大学名に変える
ことは多くても、大学名からロゴに
変える事例は最近だと城西だけ?
(関東学院も大学名から変更?)
駅伝以外では別のユニを着ることも
あり、帝京の赤くないロゴ入りとか
見たことありますね。また、国際
大会ではデザインの規定が厳しく、
ダイヤモンドリーグで三浦選手が
着てた順天堂ユニはロゴがなく
右胸にローマ字の大学名でした。

こうして見ると「イニシャル入りは
伝統ある古豪」は合ってますね!
全部戦前から出場してる大学です。
イニシャルって早い者勝ちなので
かぶらないうちに使い始めたという
歴史の証でもあります(例えば
中央がCを使ってたら中央学院は
Cを使いたくても使いづらい)。
そしてそういう陸上部としても
伝統のある大学は長距離以外の
種目も普通に強化していることが
多いので、関東インカレも自ずと
1部ということが多いです。
「イニシャルなら古豪」はおおむね
成立しそうだけど、筑波は校章なので
「古豪ならイニシャル」は不成立。

ロゴはやっぱり箱根出場の歴史よりも
関東インカレ1部の方により関連性が
ある感じ。東洋、順天堂、東海、
大東も1部ですし、城西も今度1部。
こちらも「ロゴなら1部」は成立する
ことが多いけど、日体大や国士館は
現在大学名に変わったので「1部なら
ロゴ・イニシャル」とは限りません。

というか2部校が立教以外ほとんど
大学名なんですよね。不出場校を
探せば先程紹介した歴史の古い
拓殖と専修、亜細亜、関東学院
(出場経験ないけど武蔵野学院も
ロゴ?)は大学名じゃないけど
数多い2部校のほんの一部であり、
他の2部かつ箱根駅伝に出場してる
大学はたぶんほとんど大学名の
ユニフォームなんじゃないかと。
平成以降出場経験のある平成国際や
上武も大学名入りのを着てます。
「2部なら大学名」がほぼ成立。
あと「大学名なら新興勢力」とは
言えないけど「新興勢力なら
大学名」はおおむね合ってます。

関東インカレ2部校が大学名を
ユニフォームに入れる理由ですが、
おそらく駅伝に力を入れている
理由に「広報」があり、大学名を
アピールするためと思われます。
箱根駅伝がなく広報効果の少ない
長距離以外の種目ではスポーツ
推薦等で選手を集めることをあまり
せず、長距離種目以外の得点を
稼げず1部に昇格しないため、
2部に集まりがちと。
1部校は伝統校であれば今でも十分
知名度が高いですし、体育系大学
なら長距離以外の種目も含めた
競技力の向上を広報より重視する
(受験生も競技者であれば
競技力の向上こそが広報になる)
でしょうから、視覚的に大学名を
強調することにそこまでこだわって
ないのかもしれません。

新興勢力の中では城西が異質。
創部が特に古いわけでもなく
体育系学部もないようですが、
デザインを大学名からロゴに
変更し、インカレでも短距離の
得点があり1部に入ります。
実は城西は、新興勢力でありながら
同じロゴデザイン大学である
順天堂や東海のようなマインドを
持っているのでしょうか…?
思えば櫛部監督は低酸素ルームを
整備するなど科学的トレーニングを
重視しており、「箱根駅伝は
手段でありトラックで日本一や
五輪を目指す選手を育成したい」
とのことで、他の新興勢力よりも
順天堂(五輪選手を輩出し澤木監督
時代に科学的トレーニングを提唱)
や東海(トラック重視で低酸素施設
あり)寄りに分類されそうです。
デザイン変更の経緯や、短距離を
含めた陸上部の強化方針あるいは
大学経営陣の支援方針などは
知りませんが、城西が敢えて胸元に
ロゴを配するのは、もしかしたら
意志の現れなのかもしれません。

各大学のデザインの初期から
現在までの変遷や、今は出場して
いない大学のデザインまで深く
掘り下げればもっと何か見えて
くるかもしれませんがここまで。
個人的には、三大駅伝は全部
ゼッケンに大学名が入りますし、
それ以外のテレビ中継のない
レースは遠い観客席からだと
ユニフォームの文字まで
はっきり見えませんので、
別に大学名入れなくても問題
ないんじゃないかと思います。
でも大学名入りで見慣れた大学が
ある日突然ロゴとかにすると
たぶん違和感があるんだろうな。

ちなみに実業団駅伝ではどこも
社名が入っています。これは
「国内大会では胸元に所属団体を
入れよ」という実業団連合の
規定があるそうです。
配置ルールは結構細かくて、
「自動車会社のチームが車の
エンブレム入れたら面白くね?」
と思いついたけどNGかも。
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