昨日の東京時間午後の動きは、物議をかもし出していた中国の新準備通貨構想が、政府筋から否定されたとの情報もあり、緩やかにユーロ売りドル買いが進行しました。ドルの買い圧力は他の通貨にも及びドル円は調整気味に上昇する展開でした。
ヨーロッパ時間に入ってもユーロ売りはとまらず、ドル買いをリードする結果となりました。
ユーロ売りの材料として、東京時間からの地合いに加え、発表されたイギリスの景況感や、ユーロ圏の生産者物価や失業率がことごとく悪化したことが上げられます。また、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が発表した政策金利ですが、結果は予想通り1%で据え置きだったものの、しばらく利上げの見通しはないことが再確認されました。結果、債券市場には安心感が広がり、資金が債券市場に向かった模様です。
さらには、世界的に下げ止まり観があった各国政策金利でしたが、スウェーデンが利下げを行ったことはややサプライズでした。また、アイルランドの国債格付け(いわゆるソブリン格付け)が引き下げられたことなどでユーロ圏周辺の混迷が浮き彫りとなり、ユーロの不安材料になったのは確かなようです。
ユーロ通貨にとって、悪材料が続く中、ポンドは比較的売られずに済んでいます。ユーロは対ポンドでも売り込まれている様子から、ポンドにとっては買い材料となっていた分、下落圧力を緩和できた模様です。
NY時間に入ってもユーロ売りは止まりませんでした。
注目だった雇用統計は総じて予想に反して悪化したことで、株式市場も全面的に売り込まれました。唯一最後に発表された製造業新規受注は前月比で改善と、先行きの明るい内容でしたが、市場は悲観的になりすぎていた様子で、ダウは前日比223ドル強の下落で引けています。
投資ムードは一昨日と全く入れ代わった状況となり、比較的安全な債券市場に資金が流れ込んで金利は低下。同様に、流動性が比較的高く身動きがとりやすい、ドルキャッシュへ資金が向いた模様で、ドル買いが進んでいます。ただ、円に資金が入り込んだためにドル円は円高で推移しており、ヨーロッパ通貨などクロス円での円買いにも後押しされている形です。
本日7月3日午前の東京外国為替市場の動きですが、
資金の流れは投資先から引き上げる傾向を維持しているように見えます。
早朝にはユーロ円の売りと思われる動きが強まり、ユーロドル、ドル円が下落しています。チャート的に下値を更新したことも下落理由となっていそうですが、時間的にみて、自動売買を含む短期のモデル系ファンドで、取引シグナルが売りを示した可能性があります。
その後は、調整の買い戻しに見える、緩やかな反転上昇相場となっています。
ペナント(フォーメーション)【pennant formation】
チャートパターン分析の1つで、三角分析の1種類。ウエッジ・フォーメーションと概ね同義語。
よく似たパターンで「トライアングル」があるが、ペナントの方が期間的に短い場合を指す。
長い短いは個人差があり微妙ではあるが、個人的には足の数で20本前後が長短の分岐点とするイメージ。(2009年7月2日のブログで、フォーメーションをどちらで呼ぶか、非常に迷ったくらいで、明確な境目はあるのかどうか自分でも微妙)
意味としては、
それまでトレンドを持っていた相場が揉み合い期を迎え、次のトレンドに向かうまでの休止相場として捉える。ペナントの解釈として、古典的な資料ではコンティニュエンスパターンとして以前のトレンドを継続するシグナルだと説明する場合がある。
実際の相場に応用する場合、
あくまでペナントベースのブレークアウトを先に考え、トレンドはその後で伸びた方として考えたほうが、失敗は少ないと考える。
よく似た意味の、フラッグ・フォーメーションというパターンがある。
ドル買いで始まった昨日の東京市場は、ヨーロッパ時間までドル高値圏での揉み合いに終始しました。
円安の背景として、発表された日銀短観が、思いのほか地合が悪い内容だったことや、中国からは指標購買担当者景況感が良い水準を維持している発表があり、株式市場が底堅いことなどが指摘できそうです。
ヨーロッパ時間に入り、相次いで発表された経済指標が、堅実な内容だったこともあって、ヨーロッパ通貨全体が強めに推移しました。
本格的に市場が始まると、株式相場も総じて好調となり、資金はキャッシュから投資先に向かう動きが継続した結果、為替はドル売り、円売りという相場展開でした。
NY時間に入っても投資ムードは好調を維持。注目されていた雇用指標や景況感指標も概ね改善された内容だったことも材料視された模様です。ただ、住宅関連の指標は悪化を示す結果だったことから、手放しで喜べる内容ではなかったように思えます。
特に昨日の海外市場ではユーロの上昇が目立ちましたが、
継続していたドル売りのほかに、新たな準備通貨に関する話題が再浮上したことも影響していたのではないでしょうか。
ドル円相場はNY時間まで円売りが継続した結果、ユーロ円は一時136.85水準の高値を付けました。しかしドル売り圧力が顕著になるとドル円は次第に下落相場となり、そのまま引けを迎えています。
本日の為替市場ですが、昨日1.42台を覗いたユーロドル相場の調整相場が継続したまま現在に至っており、一時1.4100水準まで下落しています。対ユーロでのドル買い圧力が相場全体を牽引しているようですが、あくまで調整相場との印象があり、急激な推移には至っていません。
株式市場は、海外での好調ぶりを引継ぎ切れていない模様で、前場は小幅な揉み合い相場といったところです。
相場はさえない展開です。
先月末に荒れた展開となったポンド相場ですが、決定的なパターンが見当たらない中で、個人的には6月初旬の下げ相場の影響が継続しているようにも見えます。そこまで順調に反転上昇してきた相場は約一ヶ月間、揉み合いながらも高値圏に収斂(しゅうれん)しました。パターン的には上昇を継続するペナントフォーメーションですが、月末のトライ失敗によって、ややダマシの匂いが漂っています。
日足チャートでオシレーターを3つ並べて見ましたが、どれも上昇を示唆するイメージがありません。オシレーターですので、動かなくなるとニュートラルへ近づくのは仕方なく、上昇から揉み合いに移行するとどうしても右下がりになります。また、数値を終値で取っているので、月末の高値はデータに何の影響も与えていません。月末を含めて3本目となり、終値はどれも大きくは違いませんが、STCが急激に下げているのが気になります。
ここから直ぐにブレークダウンを想定するにも無理を感じるところですが、少なくとも下方へのトライが近々あっても不思議ではありません。当面の目標は、週足雲の下限となる、1.6315水準とし、軽く割れてくるようならブレークダウンを想定します。といっても、6月初旬の下落幅を超える動きは期待薄かもしれません。
月末、四半期末が重なった昨日は、大きく上下した波乱の1日となり、ドルは序盤大きく売られた後、後半は反対に大きく買い戻されるといった展開。
東京時間中は、投資意欲が好転したことを示唆する動きだった海外市場の流れを引き継ぎ、東京株式市場が好調でしたね。つまりキャッシュを売って投資先へ資金を回す動きが、ドルを売ってヨーロッパ通貨を買う動きへとつながった模様です。
一方、円はヨーロッパ通貨に対して円売りとなったものの、ドル売り圧力が強かったためにドル円では下落しています。
日経平均は一時1万円台に載せるなど、結局前日比175円近い上昇で引けると、続くヨーロッパ市場への期待感が高まったのでしょうか。あるいは住宅価格が前月比で予想を上回る上昇を示した指標発表などが材料視されたのか、ポンドやユーロ相場が急騰。

特にポンドはテクニカル的にもこれまでの戻り高値であった1.6665水準を上回ると、一気に100ポイント近い上昇を見せ、対円では160.20水準までの上昇となりました。
ただ高値圏での取引は、短時間で急変動した後は元の水準に収まるという、いわゆるスパイク的な動きであったため、

ヨーロッパが本格参入してからは、高値圏を取引し損ねた向きの売りがあぶりだされた観がありました。
加えて、予想の範囲だったとはいえ、英国のGDPが悪化したことが伝わると、ポンドドルでドルが買い戻される展開となりました。一方で、ヨーロッパ株式市場などは依然として底堅く推移したこともあり、円はポンドがピークを付けた後は、継続して安く推移しました。
NY時間に入り、序盤に発表されたいくつかの指標は、内容もよく、投資ムードはしばらく好調を維持しましたが、遅れて発表された消費者信頼感がややサプライズ気味に悪化しました。
投資ムードは一転して悲観的となり株式相場が下落に転じると、資源相場も反落するなど、資金は再びキャッシュへ回帰するドル買相場となったまま、引けています。
続く本日7月1日午前の東京外国為替市場の動きですが、スピードは弱まったものの、海外でのドル買い基調を継続しています。
ドル円は昨日のポンド急上昇以降、依然として順調にドル買い円売りを伸ばしており、昨日の高値96.50を上抜けるとやや上昇を強め、一時97円台を伺う展開となっています。

その他の市況では、株式市場が前日に比べて安く寄り付いたものの、ドル円の円安基調が下支えの要因となっているのか底堅く推移し、前場を小高く引けています。