外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

量的緩和は利上げを意味しない

2006-03-06 11:51:27 | ☆外国為替を読む

こんにちは、

相変わらず相場は方向感を失っていますが、先週のメインテーマであった日銀の量的緩和政策の解除が、円高をやや演出しています。その大きな理由として、量的緩和解除がそのまま日本の低金利が上昇を開始するという憶測を呼んでいるからと言えそうですが、国内の金融市場では、例え量的緩和が解除されても金利上昇は直ぐには難しいとの考え方で一致しているようです。

量的緩和政策を簡単にいうと、一般金融機関に積ませる日銀当座預金の額を多額にして、いかなる資金需要に対してもこれらを放出することで潤沢以上の資金をもって供給に応じ、供給過多な状況をいつでも作っておこうという政策です。

量的緩和政策を解除すると言うことは、手っ取り早く言えば日銀の当座預金額を引き下げる・・・ということだけで、公定歩合を引き上げることとは別のお話のようです。緩和政策下では実際に何度か短期金利が上昇の兆しを見せたことがあったと記憶していますが、現在の状況は量的緩和を解除したところで、市中にもあふれている潤沢な資金は、未だに少ない本格的な資金需要に対して充分すぎる供給源となっているようなのです。そこへもって日銀へ積まれていた資金がどこへ行くかを考えれば・・・大体想像は付きますよね。

一部海外の機関投資家筋が、量的緩和解除→円金利上昇を期待して、円の返済をし始めたという解説が目立ちますが、本当であればやや早計な行動であると言えそうです。ただし実際に資金供給が逼迫してくれば短期金利は上昇するでしょうし、解除後に思ったより早くこのような状況が実現すれば、公定歩合上昇の可能性もありえることは含み置いてください。

友人の意見では、今回の円高は量的緩和解除のインパクトよりも、自動車業界が打ち出したベースアップがまとまったことの方がインパクトがあるそうです。ベースアップは基本的にインフレにスライドすると言われています。「何だ、やっぱり金利上昇じゃないか!」と言われればそうですが、少なくとも量的緩和解除→利上げ、ではないことを理解しておくことが必要です。

今週の金利政策決定会合では、解除宣言がされるとかされないとか・・・。もしも解除された場合、
このニュースで海外勢が円買いをしてきたなら、ある程度は逆張っても面白いかもしれません。【あと】


免責事項開示

2006-03-04 09:16:22 | ☆サイト理念と免責事項
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外国為替取引はいつから金融先物取引になっちゃったの?

2006-03-03 12:22:08 | ☆外国為替を読む
こんにちは、ご無沙汰いたしておりましたが、またぼちぼちブログでも始めますので、今まで同様宜しくお願いします。

外国為替証拠金取引にかかわるようになってあと数ヶ月で4年になりますが、当初からずっと疑問だったことに外国為替取引がいつから先物取引になったのか?ということがあり、最近の法律規制でこれが公認となってしまいました。

別に異議申し立てをするつもりはありませんが、証拠金取引で行う外国為替取引は立派な直物取引であって、英語で言えばスポット取引(SPOT FX)です。

理由を推測するに、先物取引ではよく信用取引の形態をとることや差額決済の方法を用いていることから、先物取引のスキーム(ルール)が適用しやすかったのではないか、と考えることができます。 先物取引というと「難しい・・・」というイメージがありますが、要は「安く買って高く売る、高く売って安く買う」ことを目的とした取引が基本で、日にちが経過すれば金利差コストの影響を受ける取引・・・な訳です。

確かに今行った売買から収益や損失が発生するタイミングは、たとえ瞬間でも将来のことになるので、”先の物”という意味で先物?なのかもしれませんが、安く仕入れたモノを将来に渡って販売してゆくような一般の商売も、先物?ってなことになってしまいそうです。

本来の為替取引は、例えばドルを買うならばそれ相当のドルが手元に入り対価を支払う取引です。証拠金取引では、確かに取引した参加者は実際に資金を授受しませんし、発生した差額がプラスなら収益、マイナスなら証拠金から償却して決済するような手法なので、本来ではないといえばそうですが・・・それでもやはり“先物なのかなあ~”という感じです。

アメリカでも管轄団体はCFTCといって先物取引委員会ですし間違ってはいませんが、いずれにしても個人的には「信用取引委員会」の方がしっくり来ます。

GMT(ジーエムティー) 世界標準時間【GMT】 英国標準時間

2006-03-03 11:23:15 |   -FX実用相場用語

金融業界や一部グローバルなIT関係・国際運輸関係など、各生活時間が異なる同士で情報交換が行われるような場に於いて、時間を表す際にはグリニッジ標準時間がよく用いられる。3文字のシンボルではGMT(Greenwich Mean Time)と表記する。

GMTは英国ロンドンの標準時間として用いられロンドン冬時間はGMTに一致する。ロンドン夏時間は標準時間から1時間先行したものを生活時間として使用している。

日本は現在のところ夏冬同一な日本標準時間を採用しているのでGMTとの時間差は一定となる。

ロンドン冬時間=GMT=日本時間-9時間
ロンドン夏時間=GMT+1=日本時間-8時間

GMT表示のニュースヘッダーを見るだけで、今出たものかどうかが見分けられれば、ちょっとカッコいい

【外為ガイドブック 外国為替相場用語さ行ら行あ行-G】あと


(米国)東部標準時間【EST】 (米国)東部現地時間【EDT】 日本標準時間【JST】

2006-03-02 11:52:26 |   -FX実用相場用語

ESTとは Eastern Standard Timeの略で、時間を表すときにこのような語句が併記される場合、米国東部のニューヨーク時間を指す。標準時間であるESTは季節によって変わることはないが、米国はサマータイム制度を採用しているので夏と冬では現地の生活時間が異なってくる。親切な表記では現地の生活時間を表したものを米国東部時間(EDT Eastern Daylight Time)として区別する。
【訂正】
しばらくの間、EDTのDを、Domesticと説明していましたが、09年6月3日をもって、Daylightに訂正いたします。したがって、現地時間を夏時間と言い換えます。


ピンクの現地日付は日本の前日で、色がないところから、同日になります。(2010/03/12表を追加)

EST=日本時間-14時間
先ず、この関係をきっちり覚えましょう。夏時間になったらESTが存在しなくなるというわけではありません。

EDT=EST+1時間
つまり、標準時間より1時間先に進めた時間を日常使いましょう、ということです。

為替で重要なのは、
取引日が切り替わるニューヨーク時間の17:00
②アメリカ経済指標発表のゴールデンタイムとなるニューヨーク時間の08:30
③ロンドン市場が開くとされる一般的なロンドン時間の7:00

①・・・上の表から冬時間(EST標準時間)なら07:00JST(翌日)、夏時間(EDT)なら06:00JST
(翌日)
この時間を跨いでしまうと、決済日が一日過ぎてしまい、大変なことになります。逆に、ここを跨げばSWAPが1日分付くことになります(ただし、応答日も翌日に切り替わる場合)。

②・・・冬時間(EST)なら22:30JST(同日)、夏時間(EDT)なら、21:30JST(同日)
雇用統計や貿易収支など重要指標が多く発表される現地時間です。他にも、現地時間の09:00や10:00も比較的発表が多い、時間帯です。

③・・・冬時間(GMT)なら16:00JST(同日)、夏時間(DST)なら15:00JST(同日)
ロンドン勢がぼちぼち揃う時間で、東京市場で溜まったポジションを一気に彼らへ投げられる時間といえます。現在の東京市場の終了時間は17:00JSTとするのが主流にも見えますが、オプションのカットが15:00JSTということからも判るように、まだまだ以前の15:30JSTを、東京市場の終了と捉える場合が多々あります。したがって、ロンドンが冬時間(GMT)だと、JSTの15:30から16:00の間は、市場参加者が非常に薄い空白の時間帯となるため、非常に突飛な動きをしやすくなる傾向があります。ロンドンが夏時間になることで、米国市場まで切れ間なくつながることになります。(以上、2010/03/12追記)

以下はそれまでのオリジナルです。

EST=日本時間-14時間

冬時間のEDTはESTと一致、夏時間EDTがESTより1時間先に進む。例えば米国の重要な経済指標が発表される最初のタイミングは08:30EDTであるが、冬時間ではEDT=ESTなので日本時間に直せば日本は米国より先に時間が経過していることから、同じ日の夜22:30JSTになる。
夏時間の08:30EDTは、ESTの07:30なので、これに14時間を加えた日本時間では21:30というわけだ。

日本時間は夏冬関係が無く全てが標準時間であるためJST(Japan Standard Time)一本で考えられる。従ってESTベースで考えれば時差はない半面で、EDTとの比較になると日本時間が前後するのは仕方が無い。

同様に、金融取引の取引日として日付が変わるタイミングは、17:00EDTと決められている。従って冬ならばEDT=ESTなので日本時間で翌日の朝07:00、夏ならばESTが16:00なので日本時間は+14時間で翌日朝06:00となる。



こぼれ話
日本もサマータイム導入の話がある。エコを考えれば非常に良い上に、現地時間とリンクする様々な時間が常に日本時間でも同じということは考えやすい。つまり取引日の変更時間が常に朝07:00というのは個人的に歓迎できるが半面で、指標の発表となると毎回夜の22:30というのはいかがなものだろうか。

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