外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

レパトリーエーション【REPATRIATION】 ≪HIA≫

2006-03-23 12:26:36 |   -FX実用相場用語
ある国の投資家や企業が投資のために購入して保有していた海外の債券や株式、土地や外貨の運用を一旦解消して、その資金を当該本国へ引き揚げ当該国通貨へ戻す行為。省略して「レパトリ」あるいは「レパトリー」などという場合もある。

米国発の投資規模が大きいため、米国の場合だけを指す誤解も一部にあるようだが、日本のレパトリもあれば、イギリスのレパトリも、理論上は存在する。

2005年はドル高の年として、ほぼ通年に及んだトレンドがあったが、米ドルの利上げトレンドという背景のほかに、米国のHIA法の基づいた米ドルのレパトリが拍車を掛けていたことは事実である。

HIA法とはHomeland Investment Actの略で、米国企業の海外資産を本国へ引き揚げる場合の課税を大幅に軽減するかわりに、社員の再教育や男女雇用平等に向けた整備を進めなさい・・・というような時限法律で2005年末で期限切れとなっている。この法律に従って発生したレパトリ額は誰も正確な数値を把握していないものの、4000億ドルは下らない、などという噂もあった。邦貨にして40兆円以上であり、下手をすれば日本の1年分の国家予算ほどのドル買い需要が発生していたことになる。いつかのタイミングで統計が出てくると思うが、金額によってはこの発表が為替相場になんだかのインパクトを与える可能性があるだろう。

米国金利の上昇で金利差だけがドル上昇要因として表面化していたが、実は一種の介入的なHIA特需の背景があっての超円安年度であったことは忘れてはいけないファンダメンタルである。

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