外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

キャリートレード【CARRY TRADE】

2006-03-07 15:42:47 |   -FX実用相場用語
外国為替取引を投機目的で行う場合は通常フロー、つまり相場変動のみに着目して取引される場合が多いが、通貨ペア2通貨間に大きな金利差が存在している場合、相場変動に加えてその通貨を保有することで得られる金利差までもを見込んだスタンスの取引。

もう少し踏み込むと、相場が上昇しそうな高金利通貨が見込まれたとき、金利の安い円通貨を借り入れ円売り高金利通貨買いをして維持することで、金利差益と相場差益を享受しようとする方法も可能であり、例え対円ペアが選考されても日本の非居住者が取引できないことはない。

相場が反転して高金利通貨の上昇が望めなくなったり、2通貨間の金利差が縮小するような地合いとなった時には解消取引が発生するため低金利通貨が急激に高くなる一時的な現象を引き起こすとされている。

こぼれ話
以前にもキャリートレードが話題になったことがあったが、実情はさほどでもなかったという経緯がある。株式やモーゲージで上昇すれば10%以上になることは難しくは無く、金利差の5-6%を維持する通貨が最終目的であることは稀かもしれない。通貨の先に何かが存在すれば、それは通常の海外投資と何ら変わらないことになるが、個人投資家が証拠金取引で行う金額が世界的に続伸する昨今では、或いはインパクトがある取引額に達していないとも限らない。

実際に英語表現でキャリートレードと言うかどうかは定かではないが、個人的には和製英語のような気がしている。

【外為ガイドブック か行-C】あと
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CTA(投資顧問筋)【CTA】

2006-03-07 11:39:00 |   -FX実用相場用語

正確には米国CFTC(商品先物取引委員会)管轄下の投資顧問で、Commodity Trading Advisorsの略。理解に間違いが無ければ、いわゆるファンド運営をするために必要な免許だが、顧客資金を直接預かることはできない。顧客資金を預かるためにはFCM(Futures Commission Merchant)のステイタスが必要。

最近になって一部ニュースソースで目にするようになったが、米国発で証拠金取引を使った短期モデル系ファンドの代名詞としてCTAと表現するようになったのではないだろうか。投機筋を表す代表的なものに“シカゴ筋”という言い方がある。ファンド筋の呼び名は時流によって変化するが、一昔前はヘッジファンド、少し前ならモデル系ファンド、などという呼び方が流行った。

彼らの殆ど全てはいわゆる実需を基本とした為替取引を市場に持ち込むのではなく、差益を狙って為替を取引している専門家集団である。差益が目的である場合は100%の資金が必要ではないマージン(証拠金)取引で資金効率が高い取引を行うケースが目立つようになってきた。

こぼれ話
ヘッジファンドと言えばLTCMやソロス氏率いたクウォンタムファンドが有名でした。破綻や解散の憂き目にあった巨大ファンドでしたが、巨額の資金をつぎ込めば相場を動かせ、利益を上げられる・・・というのは妄想であることが証明された形です。解散の理由に「大きくなり過ぎた・・・」という言葉があったことを記憶しています。

影響力を持ち始めると彼らの動きに対して市場は敏感になり、便乗組みが増える→売り切る前に価格が動く→売りコストが悪化→買い戻す→便乗組みが先に買い戻す→買いコストが悪化→収益性が落ちる・・・からだそうですが、市場では結構よくある話です。

一流の投機家はこんな状況でも、市場に打ち込んでくれたディーラーにもきちんと収益が出るような注文方法を採用していたそうです。ソロスはハンガリーの英雄ですが、片やミスを突いて拾ったも同然の巨額収益が正当化される日本では決して育たない文化なのかもしれないですね。【あと】

 

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ECB利上げ

2006-03-07 10:15:32 | ☆外国為替を読む

おはようございます。
暫くお休みしていた為替ニュース専門サイト「FOREXPRESS」さんの為替コラムですが、久しぶりに復活です。読者の皆様、コラムニストの皆様、今後も宜しくお願いします。

さて先週の話になりますが、ECBが0.25%の再利上げを行いました。前回の引き上げの際にはトリシェECB総裁は「決して連続利上げの開始を意味しない・・・」と繰り返し、無意味にEURが高くなることに対して警戒を強めていました。

もちろん唯一の輸出大国ドイツへの配慮もあるのでしょうが、当時欧州系の事情に詳しいドイツ在住の方とお話をする機会がありました。その時のユーロは対ドルでも下値を更新中で、発表される経済指標はぼろぼろ。個人的には1.12台の可能性を考えていたころです。原油が高騰し物価だけが上昇するという、最悪のスタグフレーションか・・・との憶測も飛び交う中、かの方は「ECBは利上げをすると考えている」と話しておられました。

個人的には、かなりショッキングなコメントでしたが、欧州全体を配慮すれば止むを得ないという理由を聞き、なるほどと納得した記憶があります。実はユーロ圏にはかなり広範囲にわたって詳細な決め事があり、ユーロに加盟する恩恵と引き換えに決め事を守ることが義務つけられている格好です。ユーロが本格始動を始め、先進国はより安価な労働力を求めて、準先進国へと工場などを移設し、結果的に準先進国は潤った半面で、物価が上昇。つまり、ECBの低金利政策に合わせていては準加盟国が持たなくなる可能性があり、ECBはこれらの国々に配慮するためにも利上げを行うしかないのだ・・・という説明でした。

周辺国にとって、ECBより高い水準に金利を置くことはなかなか困難であるにもかかわらず、消費者物価はECBより高水準と言うジレンマが未だに解消されていないようです。ECBの金利政策は域内が云々というより、準加盟国など周辺国の物価が安定するまでは、上昇のバイアスがかかるのかもしれませんね。【あと】

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