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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q,十二因縁がわかりにくいのですがどういう意味ですか?

2015-04-15 | Q&A

 十二因縁は、四諦・八正道・六波羅蜜とともに仏教の根本です。
四諦・八正道は声聞界の教え、十二因縁は縁覚界の衆生を対象に説いた教え、六波羅蜜は菩薩界を対象にした教えといわれています。
 まず、最初に十二因縁(じゅうにいんねん)の働きを簡単に示すと下記のようになります。
1.無明(むみょう)⇔2.行(ぎょう)⇔3.識(しき)⇔4.名色(みょうしき)⇔5.六処(ろくしょ)⇔6.触(そく)⇔7.受(じゅ)⇔8.愛(あい)⇔9.取(しゅ)⇔10.有(う)⇔11.生(しょう)⇔12.老死(ろうし)
 上記は、これあるが故にこれあり、これ生ずるが故にこれ生ず(順観(じゅんかん)といい、1~12へと順番に見ていく様)、また、これなきが故にこれなく、これ滅するが故にこれ滅す(逆観(ぎゃっかん)といい、逆に12~1へと見ていく様になります。

・ 法華経『化城諭品第七』の中で
「・・広く十二因縁の法を説きたもう。無明(むみょう)は行(ぎょう)に縁たり、行(ぎょう)は識(しき)に縁たり、識(しき)は名色(みょうしき)に縁たり、名色(みょうしき)は六入(ろくにゅう)に縁たり、六入(ろくにゅう)は触(そく)に縁たり、触(そく)は受(じゅ)に縁たり、受(じゅ)は愛(あい)に縁たり、愛(あい)は取(しゅ)に縁たり、取(しゅ)は有(う)に縁たり、有(う)は生(しょう)に縁たり、生(しょう)は老死(ろうし)・憂悲(うひ)・苦悩(くのう)に縁たり。」
「無明(むみょう)滅すれば則ち行(ぎょう)も減す、行(ぎょう)滅すれば則ち識(しき)も減す、識(しき)滅すれば則ち名色(みょうしき)も減す、名色(みょうしき)滅すれば則ち六入(ろくにゅう)も滅す、六入(ろくにゅう)滅すれば則ち触(そく)も減す、触(そく)滅すれば則ち受(じゅ)も減す、受(じゅ)滅すれば則ち愛(あい)も減す、愛(あい)減すれば則ち取(しゅ)も減す、取(しゅ)滅すれば則ち有(う)も滅す、有(う)減すれば則ち生(しょう)も減す、生(しょう)滅すれば則ち老死(ろうし)・憂悲(うひ)・苦悩(くのう)も減する。」
と説き、苦悩(くのう)の根本にある無明(むみょう)を滅することが大切であると説いています。

・大般涅槃経にも「・・善男子。十二因縁は一切衆生等共に之を有す。亦内亦外。何等をか十二となすや。過去煩惱を名ずけて無明となす。過去の業を者則ち名ずけて行となす。現在世中に初始めて受胎する是を名ずけて識となす。入胎して五分四根未だ具せざるを名ずけて名色となす。四根を具足すれども未名觸時是れを名ずけて六入となす。未だ苦樂を分かたざる是れを名ずけて觸となす。一愛を染習する是れを名ずけて受となす。五欲に習近する是を名ずけて愛となす。内外を貪求する是れを名ずけて取となす。内外に事を起こし身口意業を為す是を名ずけて有となす。現在世識を名ずけて未來生となす。現在の名色六入觸受を名ずけて未來世の老病死なり。是を名ずけて十二因縁とす。」とあります。

・まとめると
十二因縁の最初は
1.『無明(むみょう)』です。無明というのは、「過去世の煩悩」です。それにより
2.『行(ぎょう)=過去世の行為』を生じそれにより
3.『識=過去世の業を原因に受ける現世の受胎時の一念』が生まれ、次に
4.『名色(みょうしき)=胎中における発育』になります。名(みょう)とは無形のもので、精神や心の状態をあらわし、色(しき)はその逆の形あるもの、つまり肉体を指します。したがって名色(みょうしき)というのは、魂(たましい)の入った人間の心身ということです。
 名色(みょうしき)が発達すると
5.『六入=胎中で六根具足する』と呼び、眼(げん)、耳(に)、鼻(び)、舌(ぜっ)、身(しん)、意(に)の六根(ろっこん)が調いこの世に生まれます。
6.『触(そく)=二・三歳の触れる物を取ろうとすること』といいます。
 触(そく)の感覚器官がもっと発達してくると、
7.『受(じゅ)=六・七歳で苦楽を感受するようになること』と言うのです。
8.『愛(あい)=十四五歳で愛欲をもつこと』が生じます。
9.『取(しゅ)=成人して独占欲が出る』であります。
10.『有(う)=愛・取により業を作りこれが未来の受胎につながる』といいます。

・ こういった状況を永遠に繰り返している状況を三世両重(さんぜりょうじゅう)の因果(いんが)といいます。
そして十二因縁の法則を、順に観察したものを『順観』と呼んでいます。お釈迦さまはブッダガヤーの菩提樹下において、この人生苦の輪廻は無明によって起こっていることをお考えになり、輪廻から解脱する為には、無明から老死に至る人間の存在発生から死に至るまでの縁起を逆転させ、根本の無明を滅すればよいと12因縁を順と逆に観じて(『逆観』)、お悟りを開かれたといわれています。
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