福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

心を尽くして祈れどもかなふことの稀なることは何ぞや?夢中問答集

2024-02-05 | Q&A

Q,心を尽くして祈れどもかなふことの稀なることは何ぞや?
A,夢中問答集(無窓疎石)には、
「佛菩薩の真の功徳
問、佛菩薩は皆一切衆生の願を満たし給はんといふ誓ひあり。・・・しかるに心を尽くして祈れどもかなふことの稀なることは何ぞや?

答。・・・薬師如来は衆生の病を除滅せむと誓ひ給へども世間を見るに病者ならぬものは少なし。普賢菩薩は一切衆生に随順して給使せむと誓ひ給へども世間を見れば従者一人もなき人も多し。・・(しかし)仏菩薩の誓願様々なりといへどもその本意を尋ぬればただ無始輪廻の迷衢を出でて本有清浄の覚岸に到らしめむためなり。しかるに凡夫の願ふことは皆これ輪廻の基なり。かようの願ひを満つるを聖賢の慈悲といはむや。しかれども先ず衆生の性欲に随ってやうやく誘引せむためにかりに所願をかなふることあり。若し人世間の所願の満足せるに誇りていよいよ執着を生じて放逸無慚愧の心を発すべきものには、その所願をかなふることあるべからず。・・されば末代の凡夫の祈ることのしるしなきことこそ、しるしなりけれ。・・・もし人正念に住して或ひは道行を成ぜむがため、或ひは他人を利益せむがために現報を祈り変へむと思ひて仏力・法力によりて至誠心にて修せば定業なりとも必ず転ずべし。・・若し人凡上の執着によりて命を延べたく福を保ちたき故に祈るならば、かやうの欲心は仏心と冥合せざるゆえに感応あるべからず。・・・>

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